ED治療薬の比較と選び方
バイアグラとシルデナフィルの違いは?効果・価格・ジェネリックの選び方
「安いジェネリックでも、同じように効く?」「バイアグラを希望したのに、薬の袋にはシルデナフィルと書かれている」。名前も値段も違うと、別の薬なのか気になりますよね。
バイアグラは商品名、シルデナフィルは有効成分の名前です。国内で承認されたシルデナフィルのジェネリックは、先発品と同等の効果・安全性を持つ薬として審査されています。主な違いは、価格・形状・添加物です。同じ用量で比較することが大切です。[1][2]
ただし、「同等」は、誰が飲んでも毎回まったく同じ効き方をする、という意味ではありません。切り替えて効きにくく感じた場合の確認点まで、一緒に整理します。
名前が違うのは、別の成分だから?
バイアグラにも、シルデナフィルが入っています。「バイアグラ」と「シルデナフィル」を、別の有効成分の薬として比べると混乱しやすくなります。
同じ成分でも、25mgと50mgでは含まれる量が違います。
バイアグラの後に発売された、同じ有効成分を使う後発医薬品が、いわゆる「バイアグラジェネリック」です。薬の袋には「シルデナフィル錠50mgVI『メーカー名』」のように記載されます。名前や見た目が変わっていても、それだけで処方間違いとはいえません。処方内容に疑問があれば、袋やお薬手帳を見ながら医師・薬剤師に確認できます。[2][3]
| 比べる点 | バイアグラ | ジェネリック |
|---|---|---|
| 有効成分 | 共通:シルデナフィルクエン酸塩 | |
| 効果・安全性 | 臨床試験で効果・安全性を確認して承認 | 先発品と同等と評価されて承認 |
| 価格 | 一般に高め | 一般に低め |
| 形状・添加物 | 製品や剤形によって異なる | |
| 食事・飲み合わせ | どちらも注意が必要。ジェネリックなら制限がなくなるわけではない | |
ジェネリックは、効き目が弱い?
「同等」はどう確かめる?
代表的なのが「生物学的同等性試験」です。薬を飲んだ後の血液中の濃度を測り、成分が体内に入る量や、濃度の上がり方を先発品と比較します。色や形を似せるだけで承認されるわけではありません。
例えば、シルデナフィル錠50mgVI「キッセイ」では、健康な成人男性20人が空腹時に服用する試験で、バイアグラ錠50mgとの生物学的同等性が確認されています。これは特定製品の試験例であり、当院の採用メーカーを示すものではありません。[3]
「成分が80%しか入っていない」という意味ではありません
同等性試験で使われる「80~125%」は、血中濃度に関する指標の比を統計的に評価する際の基準です。「50mg錠に40mgしか入っていなくてもよい」「効き目が20%弱くてもよい」という意味ではありません。表示された有効成分量と、吸収の比較に使う統計基準は別の話です。[3]
同等性と、個人の効き方は分けて考える
生物学的同等性試験は、全員の性交成功率や、毎回の硬さが一致することを調べる試験ではありません。また、添加物や飲みやすさには違いがあります。不快な症状や使いにくさがあれば、「同等だから我慢する」のではなく、製品名を伝えて相談してください。
バイアグラ自体の臨床試験で示された改善率を、そのまま「先発品とジェネリックを直接比べた成績」として読むこともできません。薬の効果を調べる試験と、後発品の同等性を確かめる試験では、答えようとしている質問が異なります。
勃起を助ける仕組みは共通
シルデナフィルは、勃起に関わる物質「cGMP」を分解するPDE5という酵素を抑え、性的な刺激を受けたときに陰茎へ血液が流れ込む働きを助けます。性欲を高める薬ではなく、飲めば刺激なしで勃起し続ける薬でもありません。先発品か後発品かによって、この仕組みが変わることはありません。同じ用量の国内承認品なら、効き始めや持続時間も、価格やブランドだけで優劣をつけるものではありません。食事やその日の条件で体感が変わることがあります。[2][5]
値段はどのくらい違う?
価格は、同じ成分量・錠数・剤形でそろえて比べましょう。「1錠○円~」が25mgのまとめ購入価格で、比較先が50mgの単品価格なら、公平な比較になりません。
| 薬・用量 | 1錠 | 10錠セット括弧内は1錠あたり |
|---|---|---|
| バイアグラ 25mg |
1,900円 | 16,000円(1,600円) |
| ジェネリック 25mg |
650円 | 5,500円(550円) |
| バイアグラ 50mg |
2,300円 | 20,000円(2,000円) |
| ジェネリック 50mg |
720円 | 6,500円(650円) |
医師が処方可能と判断した場合の薬代です。用量は安さや体格だけで決めず、症状・持病・併用薬などから判断します。
例えば、50mgを1錠ずつ比較すると、当院では先発品2,300円、ジェネリック720円です。使用頻度が高い方では、この差が継続する際の負担に影響します。ただし、初めて使う薬を価格だけで大量に購入するより、効き方や副作用を確認してから必要な量を相談する方法もあります。
安いのは、成分を減らしたから?
ジェネリックは、先発品の開発で得られた有効性・安全性などの情報を活用でき、新薬と同じ開発工程をすべて繰り返す必要がありません。開発費を抑えられることが、価格を低くできる理由の一つです。安さは、有効成分を薄めていることを意味しません。[1]
この表は当院の自由診療の料金です。バイアグラには、EDによる男性不妊の治療でタイミング法に用い、所定の要件を満たす場合に限り保険給付の対象となる製品があります。通常のED診療が一律に保険適用になるわけではありません。[2]
総額を見るときは、診察料と送料も確認してください。当院では、薬を処方する場合の診察料は0円で、薬代が別途かかります。処方しない対面診察は初診2,500円・再診1,500円、配送を利用する場合の送料は400円です。

錠剤・OD錠・フィルムはどう選ぶ?
形の違いは、主に飲みやすさや携帯のしやすさを比べるポイントです。「口で溶けるから、必ず早く・強く効く」とは考えないでください。
通常の錠剤
水またはぬるま湯で飲むタイプ。バイアグラとジェネリックがあります。大きさ・色・形・添加物は製品によって違います。
OD錠
口の中で崩れる錠剤。シルデナフィルOD錠などがあり、唾液で崩して飲み込めます。口が乾いて崩れにくい場合は水で飲めます。水なしで使う場合も、寝たまま飲まないでください。
ODフィルム
バイアグラには、薄いフィルム状の製剤があります。舌の上で溶かし、唾液と一緒に飲み込みます。包装から取り出すのは服用直前です。
製品ごとの使用方法は、処方時の説明に従ってください。OD錠の取り扱いについては診察時にご確認ください。[5][6]
OD錠やODフィルムも飲み込んで使う薬です。口の中で崩れることと、成分が体内に吸収される速さは別なので、食事や服用タイミングへの注意は引き続き必要です。錠剤を飲むのが苦手、水を用意しにくい、といった具体的な困りごとを伝えると選びやすくなります。
当院のバイアグラODフィルム50mgは、1枚1,500円(税込)です。持ち歩く場合も薬を包装から出さず、製品の保管方法を守ってください。実際に選べる製品・剤形は診察時に確認できます。
切り替えて効きにくい。何を確認すればいい?
「気のせい」と片づけず、変更前後の薬と飲み方を比べます。1回の結果だけでジェネリックが原因と決めることもできません。効き方の変化を、そのまま医師へ伝えてください。
- 成分量は同じか:先発品50mgから後発品25mgに変わっていないか。薬名だけでなく、袋の「mg」も確認します。用量と服用間隔の基本もご覧ください。
- 食事の条件は同じか:脂っこい食事の後などは、吸収が遅れて効果を感じるタイミングが変わることがあります。
- 飲んでからの時間は適切か:服用直後に試した場合など、薬が働く前に「効かない」と感じることがあります。
- 性的な刺激があったか:薬だけで自動的に勃起するわけではありません。緊張、飲酒、その日の体調なども合わせて振り返ります。
- 処方薬・入手先を確認できるか:製品名、用量、いつ・どこで処方されたかが分かる袋や写真を持参してください。
2026年のEAUガイドラインでも、PDE5阻害薬で効果が不十分な場合は、承認された薬を使っているか、用量・食事・タイミング・性的刺激などを確認することが勧められています。これは、効きにくさを本人の使い方だけの問題にするという意味ではありません。[7]
同じ条件で使っても不十分、以前は効いていたのに変化した、副作用が気になる場合は、薬の選択に加え、血管・ホルモン・持病・併用薬などの影響を再評価します。先発品に戻すか、別の成分を検討するかも、症状と希望を踏まえて相談できます。
効かないからといって、その場で追加服用したり、別のED薬を重ねたりしないでください。
飲み方や用量も同じ?
国内のED治療では、シルデナフィルとして1回25~50mgを、性行為の約1時間前に使うのが承認された用法です。服用は1日1回まで、次の服用までは24時間以上あけます。先発品から後発品に変わっても、この間隔が短くなるわけではありません。[2]
例えば、バイアグラ50mgを飲んだ後に、別の薬のつもりでシルデナフィル50mgを追加すると、合計100mgになります。名前が違っても追加しないでください。
65歳以上、肝機能の障害、重い腎機能の障害などでは、少ない量から始める必要があります。一方、重い肝機能障害など、使用自体ができない条件もあります。年齢・体格や「強く効かせたい」という希望だけで量を決めるものではありません。[5]
100mgならもっと効く?
国内で承認されたED治療の1回用量は25~50mgです。海外で使われる100mgの情報を、そのまま国内の処方や自分の増量に当てはめないでください。量を増やす前に、現在の薬・飲み方・効果が不十分な理由を確認します。[2]
副作用や飲み合わせは違う?
有効成分が共通なので、先発品・後発品ともに頭痛、ほてり、鼻づまり、消化不良などに注意します。ジェネリックなら副作用が出ない、先発品なら必ず安全、ということはありません。ほてりの有無で勃起への効果を判定することもできません。[2]
添加物は製品によって違います。以前に薬で発疹などが出た方は、製品名と症状を伝えてください。自己判断で「成分ではなく添加物のせい」と決めて、別メーカーを試すのは避けましょう。
一緒に使えない薬は、先に確認
- 硝酸剤・NO供与剤:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、亜硝酸アミルなど。血圧が過度に下がる危険があります。
- リオシグアト:血圧低下の危険があるため併用できません。
- アミオダロンの内服薬:ED治療用シルデナフィルとは併用できません。
飲み薬だけでなく、貼り薬・舌下錠・スプレーなども確認が必要です。降圧薬や一部の抗感染症薬など、併用時に注意する薬もあります。薬を自分で止めてED薬を使うのではなく、お薬手帳や薬の写真を見せて確認してください。[2][5]
心臓の状態などから性行為が不適当と判断される方、最近6か月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞を起こした方、一定の低血圧・管理されていない高血圧、重い肝機能障害、網膜色素変性症、成分への過敏症がある方などは使用できません。自己判断のチェックだけで服用可否を決めず、診察で確認します。[5]
勃起が4時間以上続く場合は、直ちに医療機関を受診してください。急に見えにくくなる・視力を失う場合は服用を中止し、すぐに眼科を受診してください。胸の痛み、息苦しさ、意識を失うなどの症状があれば119番へ連絡し、薬の名前・量・飲んだ時刻を伝えてください。服用後の胸痛にニトログリセリンなどを自己使用しないでください。[5]
ネットの「ジェネリック」も同じと考えていい?
この記事の同等性の説明は、国内で承認された製剤についてです。海外通販で「ジェネリック」と表示されているだけでは、日本で品質・有効性・安全性が確認された薬か判断できません。
個人輸入の医薬品では、表示と違う成分・量や、偽造品などの問題が生じることがあります。価格や錠剤の見た目だけで、正規品かどうかを見分けることはできません。[8]
医療機関でのオンライン診療と、診察を受けずに海外通販で注文する個人輸入は、手続きが異なります。ただし、オンライン診療というだけで扱う薬がすべて国内承認品とは限りません。国内承認の有無、成分・用量、処方後の相談先を確認することが大切です。
当院では国内承認のED治療薬を扱い、医師が処方の可否を判断します。薬の受け取り方も含め、ED診療の案内をご確認ください。
結局、どちらを選べばいい?
国内承認品を前提に、費用・飲みやすさ・これまでの使用経験で選ぶのが基本です。高い方を選べば必ず強く効く、という比較ではありません。
費用を抑えたい
ジェネリックが候補になります。まず医師が適切な用量を判断し、必要な錠数と総額を確認しましょう。
今の薬で支障がない
バイアグラが合っていて、費用にも無理がなければ、変更を急ぐ必要はありません。ジェネリックを試してみたいという希望も伝えられます。
飲みにくさや効き方が気になる
形・用量・服用条件を一緒に確認します。「いつ、何を、どのくらい飲み、どうだったか」が分かると、次の薬を相談しやすくなります。
シアリス(タダラフィル)などは、シルデナフィルとは別の成分です。バイアグラの先発品・後発品の比較とは分けて、作用時間や食事の影響、生活に合う使い方を相談します。薬の種類を広く比較したい方は、ED治療薬の選択肢をご覧ください。
薬の名前が分からなくても、袋や写真で相談できます
当院では、先発品・ジェネリックの希望、予算、これまでの効き方や副作用を伺って処方を検討します。現在使っている薬の袋、お薬手帳、薬名と用量が読める写真をご用意ください。初めての方は、症状と持病・服用薬から確認します。
ED治療薬は1錠から処方を相談できます。処方時の診察料は0円で、薬代は別途かかります。処方しない対面診察は初診2,500円・再診1,500円、配送は送料400円です。状態によって対面診察や他の医療機関での評価が必要になる場合があります。
LINEでの一般相談は無料です。医師の診察とは異なり、即時の返信を保証するものではありません。
医学監修
金谷 正樹
モイストクリニック
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックにて性感染症を中心に診療。日本性感染症学会会員。細菌学と免疫学の知見を活かし、患者さまご本人とパートナーさまが共に幸せになれる医療を目指しています。
参考資料
資料確認日:2026年9月14日。国内の承認・用法はPMDAの電子添文等、効きにくい場合の評価はEAU 2026年版を参照しています。
- 厚生労働省.ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進について:承認・品質・添加物・開発費。
- PMDA/ヴィアトリス製薬.バイアグラ錠25mg・50mg/ODフィルム25mg・50mg 電子添文(2024年7月改訂)。
- PMDA/キッセイ薬品工業.シルデナフィル錠25mgVI・50mgVI「キッセイ」電子添文:16.1.3 生物学的同等性。
- PMDA/ヴィアトリス製薬.レバチオ製剤:電子添文・患者向医薬品ガイド。
- PMDA/ヴィアトリス製薬.バイアグラ製剤 患者向医薬品ガイド。
- PMDA/東和薬品.シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」患者向医薬品ガイド。
- European Association of Urology.Sexual and Reproductive Health Guidelines 2026:Management of Erectile Dysfunction(効果が不十分な場合の評価)。
- 厚生労働省.医薬品等を海外から購入しようとされる方へ。
- PMDA.医薬品副作用被害救済制度の給付対象。
