
「排尿時に痛みがある」「のどに違和感が続く」「パートナーが淋菌に感染したかもしれない」
淋菌感染症が疑われるとき、どの検査を受ければいいか分からず不安に思っていませんか?淋菌は感染する部位(性器・のど・肛門)によって適切な検査方法が異なり、特にのどや直腸は無症状のことが多いため、見逃されやすい性感染症の一つです。
このページでは、淋菌検査の種類とそれぞれの特徴、症状や行為に応じた最適な検査の選び方、結果が出るまでの流れ、そして費用について専門的に詳しく解説します。
目次
- 1.【結論】淋菌検査の要点まとめ
- 2.【症状・行為別】あなたが受けるべき淋菌検査の部位は?
- 3. 淋菌の主な検査方法|高精度PCR検査と薬剤耐性がわかる培養検査
- 4. 検査可能時期(ウィンドウピリオド)について
- 5. 当院の淋菌検査メニューと料金
- 6. ご来院から結果報告までの流れ
- 7. 検査結果が陽性だった場合の対応
- 8. 淋菌検査に関するよくある質問
- 参考文献
1.【結論】淋菌検査の要点まとめ
- 感染部位:淋菌は性器・のど(咽頭)・直腸(肛門)に感染します。のどや直腸は無症状でも他者への感染源となるため、心当たりのある部位はすべて検査することが重要です。
- 推奨検査:第一選択は、精度の高い核酸増幅検査(NAAT/PCR法)です。尿、おりもの、うがい液などから、ごく微量の菌の遺伝子を検出できます。
- 治癒確認:治療が効いているか確認するため、特に咽頭(のど)感染の場合は治療後7~14日での再検査(Test of Cure)を推奨します。
- 再感染チェック:完治しても再感染するリスクはあります。予防意識向上のため、すべての症例で治療3か月後の再検査が推奨されています。
2.【症状・行為別】あなたが受けるべき淋菌検査の部位は?
淋菌検査の原則は「感染の可能性がある部位をすべて検査する」ことです。症状の有無だけでなく、性行為の内容に応じて検査部位を選びましょう。
こんな方・こんな症状 | 推奨される検査部位 |
---|---|
排尿時の痛み、尿道から膿が出る(男性) おりものの増加・色や匂いの変化(女性) | 性器(尿・腟分泌物) |
のどの痛み、腫れ、違和感がある オーラルセックスの経験がある(症状がなくても) | 咽頭(のど) |
肛門のかゆみ、痛み、分泌物がある アナルセックスの経験がある(症状がなくても) | 直腸(肛門) |
症状はないが、パートナーが感染した 不特定多数との性的接触があった | 接触のあった部位すべて(性器・咽頭・直腸) |
特に咽頭(のど)と直腸の感染は90%以上が無症状とも言われ、自覚がないまま感染を広げてしまうケースが後を絶ちません。当院では、性器とのどのセット検査など、リスクに応じた最適なプランをご提案します。
3. 淋菌の主な検査方法|高精度PCR検査と薬剤耐性がわかる培養検査
A. 核酸増幅検査(NAAT / PCR法)— 現在の第一選択
- メリット:感度が非常に高く、ごくわずかな菌の遺伝子(DNA)を検出できます。尿・腟分泌物・うがい液・直腸ぬぐい液など、様々な検体に対応しており、結果判明も比較的スピーディーです。
- デメリット:菌の生死に関わらず遺伝子を検出するため、治療直後の治癒確認(TOC)では死んだ菌の遺伝子を拾ってしまい「偽陽性」となる可能性があります。また、どの抗生物質が効くか(薬剤感受性)までは分かりません。
- 当院での検体:患者様の負担が少ない、尿(男性)、腟分泌物(女性・自己採取)、ぬぐい液、うがい液(咽頭)を基本としています。
B. 培養検査・薬剤感受性試験 — 治療効果の確認に必須
- メリット:生きた菌を実際に増やして(培養し)、どの抗生物質が効くかを調べる(薬剤感受性試験)ことができます。標準治療で効果が見られない場合や、耐性菌が疑われる症例の診断に不可欠です。
- デメリット:菌を生きたまま扱う必要があるため、検体の取り扱いや輸送に専門的な注意が必要です。また、NAATに比べて感度がやや劣り、結果判明までに数日を要します。
C. 顕微鏡検査(グラム染色)
尿道の膿などをガラスに塗り、特殊な染色をして顕微鏡で観察する方法です。男性の急性尿道炎などでは、特徴的な細菌の形から淋菌を推定できますが、感度はNAATに劣ります。現在は補助的な診断方法として用いられ、最終的な確定診断はNAATや培養検査で行います。
4. 検査可能時期(ウィンドウピリオド)について
淋菌に感染してから検査で検出可能になるまでの期間を「ウィンドウピリオド」と呼びます。この期間中に検査を受けると、感染していても陰性(偽陰性)と出てしまう可能性があります。
淋菌のウィンドウピリオドは比較的短く、感染機会(性行為)から24時間以上経過していれば、PCR検査(NAAT)で検出可能とされています。より確実性を高めるためには、2~3日経ってからの検査を推奨します。ご不安な場合は、適切な検査タイミングを医師がご案内しますのでご相談ください。
5. 当院の淋菌検査メニューと料金
当院では、初診料・再診料込みの分かりやすい料金体系を採用しております。診察から結果説明まで、下記以外の追加費用はかかりません。
検査メニュー | 料金(税込) | 対象部位 |
---|---|---|
淋菌 単体検査 | 4,500円 | のど/性器/肛門から1部位選択 |
淋菌・クラミジア セット検査 | 6,500円 | のど/性器から1部位選択 |
喉の違和感セット(ベーシック) | 14,800円 | 淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ |
※上記以外のセットメニューもございます。詳しくは料金表をご覧ください。
6. ご来院から結果報告までの流れ
- ご予約:WebまたはLINEから、ご希望の日時でご予約ください。プライバシーには最大限配慮いたします。
- ご来院・問診:医師が症状や感染機会についてお伺いします。最適な検査をご提案するため、正直にお話しください。
- 検体採取:多くの場合、個室でご自身で検体を採取していただきます(尿・うがい液・腟ぬぐい液など)。
- 検査実施:お預かりした検体を専門の検査機関にてNAAT(PCR法)で検査します。
- 結果報告:検査日から最短1~3日後に結果をご報告します。医師が結果をご説明し、陽性の場合は最適な治療方針をご提案します。
7. 検査結果が陽性だった場合の対応
- 治療:日本性感染症学会のガイドラインに準拠し、セフトリアキソン1gの点滴静注を1回行います。効果の高い標準治療です。
- パートナーへの対応:感染が判明する60日以内に性的接触のあったパートナー様も感染している可能性が非常に高いです。パートナー様にも検査と治療を受けていただくよう、必ずお伝えください。
- 性行為の再開:ご自身とパートナー様の治療が完了し、症状がなくなるまでは性行為をお控えください。
- 再検査による治癒確認:
- 咽頭(のど)感染:治療後7~14日を目安に再検査(TOC)を行い、確実に治癒したかを確認します。
- すべての感染者:治療後3か月を目安に再検査を受けることが推奨されています。これは完治した後の「再感染」を早期に発見するためです。
8. 淋菌検査に関するよくある質問
Q. どの検査を選べばいいか分かりません。
A. ご安心ください。まずは高感度なPCR検査(NAAT)が基本となります。どの部位を検査すべきかについては、診察時に医師が詳しくお話を伺い、最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
Q. のどの淋菌は、治ったかどうかの確認検査が必要ですか?
A. はい、必要です。咽頭は薬剤が届きにくく、治療が不十分になることがあるため、治療後7~14日での治癒確認検査(TOC)が国内外のガイドラインで推奨されています。
Q. 症状がなくても検査した方がいいですか?
A. はい。特に、のどや直腸の淋菌感染は無症状であることが多く、気づかないうちにパートナーに感染させてしまうリスクがあります。感染の心当たりがある場合は、症状がなくても検査を受けることを強くお勧めします。
Q. 淋菌の検査は保険適用になりますか?
A. 排尿時痛やおりもの異常などの症状があり、医師が淋菌感染を疑い検査を行う場合は保険適用となります。しかし、症状がない場合のスクリーニング検査や、パートナーが感染したための予防的検査などは自由診療となります。当院は自由診療のクリニックであり、匿名での検査が可能、結果判明がスピーディーといったメリットがございます。
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🔖 監修者情報

監修:モイストクリニック院長 金谷 正樹
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っている。日本性感染症学会の会員として活動しており、得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かして、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療を目指している。
🖊️ この記事の執筆者

監修:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Gonococcal Infections Among Adolescents and Adults – STI Treatment Guidelines.
- World Health Organization (WHO). Gonorrhoea (Neisseria gonorrhoeae infection).
- 東京都感染症情報センター. 淋菌感染症 Gonorrhea.
- 日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2020.