淋菌感染症(淋病)
淋菌とは
クラミジア感染症と並んで頻度の高い性感染症です。主に男性の尿道炎、女性の子宮頸管炎を起こします。1回の行為での感染率は30-50%とされ、性行為から2-7日で発症するとされています。男性の場合は症状が強いですが、女性の場合は症状に乏しく、不妊の原因にもなり得るため注意が必要です。
感染経路と潜伏期間
淋菌は精液や膣分泌液、のどや直腸といった粘膜に存在しています。
すでに感染している人との性行為(セックスやオーラルセックス、アナルセックス)で感染します。1回の性行為で感染する確率は30%~50%とされています。
一般的に潜伏期間は男性で数日、女性では2週間程度と言われています。
症状
男性の場合
感染後、2~7日の潜伏期間を経て、尿道のかゆみや排尿時痛、尿道からの分泌物などの症状をきたします。クラミジアと比べて、潜伏期間が短いこと、症状が強いこと(掻痒感が強く分泌量が多い)が特徴です。分泌物はクラミジアと比べて粘り気があり、白色〜黄色であることが多いです。
女性の場合
子宮頸管炎をきたすとおりものの増加、不正性器出血(生理以外の出血)、性行痛などをきたします。
しかし症状の強い男性とは異なり、約40%は自覚症状を伴わないとされます。
炎症が子宮付属器(卵管や卵巣)に波及すると、下腹部痛や発熱をきたすこともあります。
治療
淋菌は抗菌薬(第一選択はセフトリアキソン)で治療を行います。抗菌薬の点滴での投与が必要ですので、来院して治療することになります。また淋菌感染症の20~30%はクラミジアを合併しているため、クラミジアの検査も同時に行う必要があります。