【2025年最新版】クラミジア治療の完全ガイド|第一選択薬から予防まで医師が解説

【2025年最新版】クラミジア治療の完全ガイド|第一選択薬から予防まで医師が解説

「クラミジアと診断されたが、どの薬を飲めば治るのだろう?」
「薬を飲んだ後、いつから性行為を再開できる?」
「再発が心配…予防する方法はないの?」

クラミジアは日本で最も多い性感染症ですが、治療法やその後のケアについては多くの疑問や不安がつきものです。

この記事では、性感染症専門のモイストクリニックが、国内外の最新ガイドラインに基づき、クラミジアの最適な治療法から、治療後の過ごし方、そして最新の予防法(DoxyPEP)まで、分かりやすく解説します。

この記事の要点まとめ

  • 基本的な治療薬:アジスロマイシン(AZM)
    1回の服用で治療が完了するため、飲み忘れの心配がありません。当院でも性器クラミジアの第一選択薬です。
  • 喉(咽頭)・直腸のクラミジア:ドキシサイクリン(DOXY)
    アジスロマイシンが効きにくい部位のため、7日間のドキシサイクリン服用を推奨します。
  • 治療効果の確認(治癒検査):1週間後から可能
    より正確な判定のためには、治療後2〜3週間空けてからの検査が理想的です。
  • 再感染の確認(再検査):3ヶ月後を推奨
    クラミジアは再感染しやすいため、当院では3ヶ月後の再検査をおすすめしています。
  • 最新の予防内服(DoxyPEP):当院でも処方可能
    性行為後の服用でクラミジアを含む性感染症を予防します。適用については医師にご相談ください。

1. クラミジア治療の標準的なお薬(飲み薬)

クラミジア治療の基本は、抗菌薬の内服です。どの薬を選択するかは、感染部位や患者様の状況によって変わります。

第一選択薬:アジスロマイシン(AZM)1回服用

  • 処方例: アジスロマイシン 1000mg を1回
  • 特徴: 1回の服用で治療が完了します。
  • メリット: 7日間飲み続ける必要がないため、飲み忘れや中断のリスクがなく、治療の成功率が高いのが最大の利点です。お忙しい方や服薬管理が苦手な方にも適しています。

当院の方針
モイストクリニックでは、一般的な性器(尿道・子宮頸管)のクラミジアに対し、このアジスロマイシン単回投与を第一選択としています。

代替薬:ドキシサイクリン(DOXY)7日間服用

  • 処方例: ドキシサイクリン 100mg を1日2回、7日間
  • 特徴: 7日間、毎日朝夕の服用が必要です。
  • メリット: アジスロマイシンが効きにくい喉(咽頭)や直腸のクラミジアに対して、より高い治癒率が報告されています。

アレルギーや服用できない薬がある場合

お薬には相性やアレルギーがあります。必ず診察時に医師にお伝えください。

  • マクロライド系(アジスロマイシン等)にアレルギーがある場合
    → ドキシサイクリンや、レボフロキサシンなどのキノロン系抗菌薬を7日間服用します。
  • テトラサイクリン系(ドキシサイクリン等)が服用できない場合(妊娠中など)
    → アジスロマイシンの単回投与を選択します。

2. 【重要】喉(咽頭)・直腸のクラミジア治療は薬の選択が変わる

オーラルセックスやアナルセックスによって、喉や直腸にクラミジアが感染することがあります。これらの部位はアジスロマイシンが効きにくいため、注意が必要です。

2-1. 直腸クラミジアの治療

  • 推奨薬:ドキシサイクリン 7日間服用
  • 理由: 海外の研究では、直腸クラミジアの治癒率がアジスロマイシン(76%)に対し、ドキシサイクリンでは97%であったと報告されています。この結果に基づき、当院ではドキシサイクリンを優先的に使用します。

2-2. 喉(咽頭)クラミジアの治療

  • 推奨薬:ドキシサイクリン 7日間服用
  • 理由: 喉のクラミジアは再感染の原因となり得るため、より確実な治療が望まれます。当院では、治癒率のエビデンスを重視し、ドキシサイクリンを基本としています。

3. 妊娠中のクラミジア治療

妊娠中にクラミジアが陽性となっても、お腹の赤ちゃんへの影響が少ないお薬で安全に治療できますのでご安心ください。

  • 推奨薬:アジスロマイシン1gの単回投与
    テトラサイクリン系(ドキシサイクリン等)のお薬は、胎児への影響を考慮し、妊娠中は使用しません。
  • 治療後の検査:
    治療の約4週間後に治癒したかを確認する検査を行い、さらに3ヶ月後の再検査で再感染がないかを確認することが重要です。

4. 治療後の過ごし方と検査について

薬を飲んだら終わり、ではありません。確実な治癒とパートナーへの感染拡大を防ぐため、治療後の過ごし方がとても重要です。

Q. 治療後、いつから性行為を再開できますか?

A. 薬を飲み終えてから7日間は性行為を控えてください。

アジスロマイシン(1回服用)の場合は、服用後7日間。ドキシサイクリン(7日間服用)の場合は、7日間の服用をすべて終えてから、さらに7日間が目安です。この期間は、パートナーに感染させるリスクが残っています。

Q. ちゃんと治ったか確認したい。いつ検査できますか?(治癒確認)

A. 治療後、1週間が経過すれば検査は可能ですが、より正確な結果を得るためには2〜3週間後の検査を推奨します。

体内に残ったクラミジアの死骸に反応して、偽陽性(治っているのに陽性)となる可能性があるためです。特に、喉や直腸のクラミジアでアジスロマイシンを選択した場合など、治癒確認が重要になるケースでは、医師から適切な時期をご案内します。

Q. 再発が心配です。もう一度検査した方がいいですか?(再検査)

A. 当院では、治療から約3ヶ月後の再検査を推奨しております。

クラミジアは、一度治ってもコンドームなしのセックスなどで再び感染(再感染)しやすい感染症です。ピンポン感染(パートナー間でうつし合うこと)も多いため、ご自身の安心と大切なパートナーのために、3ヶ月を目安に再検査を受けることをおすすめします。

5. 最新の予防法「DoxyPEP(ドキシペップ)」について

DoxyPEP(ドキシペップ)とは、性行為の後72時間以内にドキシサイクリンを200mg服用することで、クラミジアや梅毒などの性感染症を予防する方法です。

米国のCDC(疾病予防管理センター)ガイドラインでは、MSM(男性と性行為を行う男性)やトランスジェンダー女性で、過去に性感染症の既往がある方などが対象とされています。

当院でのDoxyPEP処方について
DoxyPEPは、まだ国内で標準的な予防法として確立されているわけではありません。しかし、その有効性は多くの研究で示されています。

モイストクリニックでは、海外の最新の知見に基づき、予防内服のメリット・デメリットを丁寧に説明し、ご本人の希望とリスクを考慮した上で、DoxyPEPの処方を行っています。 適用となるかどうかも含め、ご興味のある方はお気軽に医師にご相談ください。

6. クラミジアのワクチンについて

「クラミジアにワクチンはないの?」というご質問をいただくことがありますが、2025年現在、承認されたクラミジアワクチンは存在しません。

世界中で研究開発が進められていますが、実用化にはまだ時間が必要です。そのため、現状ではコンドームの使用や定期的な検査が最も確実な予防策となります。

7. よくあるご質問(FAQ)

Q. パートナーも治療が必要ですか?

A. はい、必ず必要です。ご自身が治療してもパートナーが未治療の場合、再び感染してしまいます(ピンポン感染)。過去60日以内に性行為のあったパートナー様にも検査と治療を受けていただくよう、必ずお伝えください。当院ではパートナーとの同時受診も可能です。

Q. 薬は1回飲めば本当に治りますか?

A. はい。性器のクラミジアであれば、アジスロマイシンの1回投与で高い治癒率が期待できます。ただし、喉や直腸の場合は治癒率が落ちるため、7日間ドキシサイクリンを服用する方が確実です。当院では感染部位に合わせて最適なお薬をご提案します。

さいごに:不安な方は、まずご相談ください

クラミジアは、放置すると不妊症などの原因にもなりうる感染症です。しかし、正しくお薬を服用すれば、きちんと治すことができます。

恵比寿のモイストクリニックでは、患者様一人ひとりのライフスタイルや感染部位に合わせ、最適な治療法をご提案します。

  • 飲み忘れのない1回服用のAZMを基本に
  • 治りにくい喉や直腸にはDOXYを選択
  • 再発予防のためのDoxyPEP相談も可能

オンライン診療も行っておりますので、少しでも気になる症状や不安があれば、お一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください。

モイストクリニック(恵比寿)のご案内

モイストクリニックは、東京都渋谷区恵比寿にある【性感染症・男性科・婦人科】の専門クリニックです。
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症状に心当たりのある方や不安がある方も、ぜひ一度ご相談ください。
モイストクリニックは、あなたの健康と安心のために、丁寧にサポートいたします。

🔖 監修者情報

監修:泌尿器科医 王野(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。

🖊️ この記事の執筆者

モイストクリニック宮田先生

執筆:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。