
先に結論
まず最も大切なこととして、コロナ後のEDは「永久に続く」わけではありません。多くの研究が時間経過と共に回復することを示しており、適切な対処によって改善が見込めますのでご安心ください。
- COVID-19(新型コロナ)後はEDの発症リスクが上がるという大規模保険データの研究があり、約27%リスクが上昇することが示されています。
- ただし多くは時間とともに改善し、1年以降で回復傾向を示した研究もあります。EDが「永久に続く」とは言えません。
- 機序としては、陰茎の血管における炎症(血管内皮障害)やホルモンバランスの変化、心理的ストレスなどが複合的に関わっていると考えられています。
- なお、新型コロナワクチンがEDを引き起こすという科学的根拠は乏しく、不妊の原因になるという情報も否定されています。
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「ロングコロナ外来」とは? – EDも相談できる?
日本の公的表記では「罹患後症状(りかんごしょうじょう)」という呼び方が用いられ、国(厚生労働省)が診療の手引きを公開し、各都道府県で相談窓口や対応医療機関の情報をまとめています。一般的に「ロングコロナ外来」と俗称されることが多く、“感染後に長引く様々な症状を総合的に評価・対処する診療体制”を指します。ED(勃起不全)も罹患後症状の一つとして認識されており、専門クリニックでの相談が可能です。
なぜコロナ後遺症でEDが起きるのか?考えられる3つのメカニズム
1. 血管へのダメージ(血管内皮障害)
勃起は、陰茎の海綿体という組織に血液が十分に流れ込むことで起こります。新型コロナウイルスは、全身の血管の内側を覆う「血管内皮細胞」にダメージを与えることが知られています。陰茎の血管も例外ではなく、内皮機能が低下することで血流が悪化し、勃起障害を引き起こすと考えられています。
2. ホルモンバランスの乱れ
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、性欲や勃起機能に重要な役割を果たします。新型コロナウイルス感染後に、このテストステロン値が低下することを示唆する研究報告があり、EDのリスクを高める一因となっている可能性があります。
3. 心理的なストレス
感染への不安、隔離による孤独感、後遺症のつらさ、将来への懸念といった心理的ストレスは、EDの大きな増悪因子です。特に、うつ症状が併存するとEDが長引きやすいという報告もあり、心の問題が体に影響を与える典型的な例と言えます。
コロナ後のEDは、いつまで続く?回復までの期間の目安
症状がどれくらい続くかは個人差が大きいですが、複数の研究から大まかな目安が見えてきています。
- 3ヶ月前後:入院した患者の追跡調査では、半数近くの方に症状が残るという報告があります。特に40歳以上の方や、うつ症状がある方で遷延しやすい傾向が見られました。
- 6ヶ月~12ヶ月:別の研究では、1年を超えたあたりから勃起機能スコアの改善が明確に見られたと報告されており、多くの場合、時間経過と共に回復に向かうことが期待されます。
- 1~2年:日本の入院患者の追跡調査では、1~2年経過した時点でのED有病率は19%でした。長期化するケースは少数派であると言えます。
ポイント:全体として時間経過での改善が見込める一方、重症度や心理状態によって回復ペースは異なります。気になる症状が続く場合は、適切な介入で改善を早められる可能性があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. コロナ後のEDは“永久”に続きますか?
A. 永続するとは限りません。多くの研究で1年以降の改善傾向が観察されており、経過とともに回復する方が多数です。万が一長引く場合でも、ED治療薬などの有効な治療選択肢があります。
Q2. どのくらいの頻度で起きますか?
A. 研究によって幅がありますが、数万人規模の保険データを用いた調査では、コロナに罹患した男性は、罹患しなかった男性に比べて新規にEDを発症するリスクが約27%高かったと報告されています。
Q3. ワクチンがEDや不妊を引き起こすというのは本当ですか?
A. そのような情報を裏付ける科学的根拠は乏しく、医学的には否定的です。むしろ、mRNAワクチン接種の前後で精液の所見に有意な悪化は見られなかったとする研究が複数報告されています。
Q4. 受診の目安は?
A. 感染から3か月が経過しても症状が気になる、性生活に支障が出ている、といった場合は受診をご検討ください。また、不安や抑うつ気分などの心理症状が強い方や、糖尿病・高血圧などの基礎疾患がある方は、早めにご相談いただくことをお勧めします。
専門家への相談は、決して「大げさなこと」ではありません。「少しでも気になったら」それが受診の適切なタイミングです。一人で悩まず、まずは客観的な状況を把握するためにお気軽にご相談ください。
恵比寿の当院でできる評価と治療
モイストクリニックでは、日本性機能学会の「ED診療ガイドライン」に基づき、患者様一人ひとりの状態に合わせた適切な評価と治療をご提案します。
- 問診と質問票による現状把握:国際勃起機能スコア(IIEF-5)などを用いて、客観的に症状の程度を評価します。
- 生活習慣・心理面のカウンセリング:睡眠、運動、食事、ストレスなど、EDに関連する要因についてアドバイスします。
- ED治療薬の処方:バイアグラ、シアリスなどのPDE5阻害薬を、禁忌事項を慎重に確認した上で処方します。
- 必要に応じた追加検査:テストステロン値の測定など、ホルモンの状態を評価することもあります。
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🔖 監修者情報

監修:泌尿器科医 王野(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。
🖊️ この記事の執筆者

執筆:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。
参考文献
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」
- Chu, K.Y., Nackeeran, S., Masterson, T.A. et al. COVID-19 and male reproductive health: a systematic review of the current literature. Int J Impot Res (2024).
- Kaya, Y., et al. (2022). The long-term effects of COVID-19 on male sexual and reproductive health: A prospective cohort study. PloS one, 17(1), e0261164.
- JAMA. 2021;326(6):550-551. Sperm Parameters Before and After COVID-19 mRNA Vaccination.