「性器ヘルペスかもしれない」という不安や、繰り返す再発の悩み。
ネット上には様々な情報があふれていますが、ここでは性感染症専門医の視点から、患者様が本当に知りたい50の疑問に、医学的根拠に基づいてお答えします。
A. 病気の基本
性器ヘルペスとはどんな病気ですか?
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)というウイルスが性器や肛門周囲に感染して起こる性感染症です。水ぶくれやただれ、強い痛みが出ることがありますが、初回の発症を乗り越えると多くの人で症状はだんだん軽く、間隔も空いていきます。ウイルスは神経に潜伏し、免疫が落ちたときなどに再活性化して再発します。
詳しくはこちら:ヘルペスの症状についてHSV-1とHSV-2の違いは何ですか?
単純ヘルペスウイルスには主に「HSV-1」と「HSV-2」の2タイプがあります。従来は、口唇ヘルペス=HSV-1、性器ヘルペス=HSV-2というパターンが多かったのですが、最近はオーラルセックスの影響でHSV-1が性器に感染するケースも増えています。いずれのタイプでも性器ヘルペスを起こしますが、一般的にはHSV-2の方が性器での再発が多いとされています。
性器ヘルペスはどれくらい珍しい病気ですか?
性器ヘルペスは決して珍しい病気ではありません。海外のデータでは、成人の10〜20%前後が性器ヘルペスウイルスを持っているとされています。日本でも正確な数字はつかみにくいものの、性感染症としてはよく見られる疾患のひとつです。「自分だけが特別」という病気ではありません。
「初発」と「再発」はどう違うのですか?
初めて症状が出たときの発症を「初発」、2回目以降を「再発」と呼びます。初発では発熱や全身倦怠感、リンパ節の腫れなど、風邪のような全身症状を伴って重く出ることが多いのに対し、再発は水ぶくれの数も少なく、痛みも軽く、自然に数日〜1週間ほどで治ることも多いです。
性器ヘルペスは「完治」しますか?
現在の医学では、一度体に入ったヘルペスウイルスを完全に追い出すことはできません。ウイルスは神経節という場所に潜伏し続けます。ただし、抗ウイルス薬や生活習慣の見直しによって再発を大きく減らし、多くの方は日常生活に支障なく過ごせるようになります。時間が経つにつれて、再発しにくくなる人も多いです。
B. 自然経過・再発・自然治癒
性器ヘルペスは薬を使わなくても自然に治りますか?
初発も再発も、皮膚の症状そのものは時間が経てば自然にかさぶたになり、治っていきます。ただし初発では痛みが強く、放置すると歩行困難・排尿困難などで入院が必要になる場合もあるため、基本的には薬を使ってしっかり治療することをおすすめします。再発の場合でも、早めに抗ウイルス薬を飲むと症状の期間と重さをかなり減らせます。
詳しくはこちら:再発のメカニズムと予防自然治癒に任せると、どんなリスクがありますか?
自然に治るからといって放置すると、痛みが長引いたり、細菌が二次感染して化膿したり、排尿がつらくなったりするおそれがあります。また、症状のある期間はパートナーへの感染力も高い状態が続きます。特に初発と思われる場合や、症状が広範囲な場合は、我慢せず早めに受診した方が安全です。
再発はどれくらいの頻度で起こりますか?
再発の頻度には個人差があります。初発のあと1年ほどは、年に数回〜10回以上再発する人もいますが、数年たつとほとんど再発しなくなる人も多いです。一般的には、HSV-2の性器感染の方が再発しやすく、HSV-1の性器感染は再発が少なめとされています。
再発は時間とともに減っていきますか?
はい、多くの人では時間とともに再発の頻度と症状の重さが減っていきます。免疫がウイルスに慣れてくることや、生活習慣の調整でトリガーを避けられるようになることなどが理由と考えられています。ただし個人差があるため、再発が多い・生活に支障がある場合は、抑制療法なども検討します。
ピリピリ・チクチクするだけで水ぶくれが出ないときもヘルペスですか?
いわゆる「前駆症状(前ぶれ)」だけで終わる再発もあります。ピリピリ・ムズムズするけれど、水ぶくれや傷が目に見えるほどは出ないケースです。この段階でもウイルスが皮膚の表面に出てきていることがあり、完全に感染リスクゼロとは言い切れません。繰り返す場合は、早めに抗ウイルス薬を飲むPIT療法も選択肢になります。
無症状の時でも、ウイルスは出ていますか?
性器ヘルペスは、症状がないときでもウイルスが少しだけ皮膚や粘膜の表面に出ていることがあります(無症候性ウイルス排出)。そのため、何も症状がない状態でも、一定の頻度でパートナーにうつす可能性があります。抗ウイルス薬の抑制療法を行うと、この無症状でのウイルス排出も減らせることが分かっています。
C. 感染経路・パートナーのこと
性器ヘルペスはどんな性行為でうつりますか?
主な感染経路は、性器と性器の接触(膣性交・肛門性交)、および口と性器の接触(オーラルセックス)です。ヘルペスの水ぶくれ・ただれに触れることで感染しやすくなりますが、症状がない時でもウイルスが出ていることがあります。コンドームでリスクを減らすことはできますが、完全にはゼロにはなりません。
コンドームを使えばうつりませんか?
コンドームは、性器ヘルペスを含む多くの性感染症のリスクを大きく減らすことができますが、完全にゼロにはできません。コンドームで覆われない部分(陰嚢、恥丘、肛門周囲など)に病変やウイルスがある場合は、そこから感染する可能性があります。とはいえ、何もつけないよりは感染リスクをかなり下げられるので、継続的な使用を強くおすすめします。
オーラルセックスで性器に、あるいは口にヘルペスはうつりますか?
はい、オーラルセックスでも感染します。口唇ヘルペス(くちびるのヘルペス)がある人がオーラルセックスを行うと、口から性器にHSV-1が感染して性器ヘルペスになることがあります。逆に、性器にヘルペスがある人がパートナーの口にうつすこともあります。症状がある時期のオーラルセックスは避けましょう。
タオル・トイレの便座・お風呂でうつることはありますか?
ヘルペスウイルスは湿気のある環境でも長時間は生きられず、人の体の外では不安定です。そのため、一般的にはタオル・トイレ・浴槽などを介した感染は非常にまれと考えられています。基本的には、「直接、病変のある部位と皮膚・粘膜が接触する」場面が主な感染経路と考えてください。
たった1回の性行為でもうつることはありますか?
理論上は「1回でうつる」こともあり得ます。症状が出ている時期や、初発でウイルス量が多い時期は特に感染しやすいです。ただし、「1回の性行為で必ずうつる」というわけではありませんし、感染の有無は確率の問題です。「1回だから大丈夫」と過信しない方が安全です。
パートナーが性器ヘルペスと言われました。私はどうしたらいいですか?
まずはパートナーを責めず、「一緒に情報を整理する」スタンスが大切です。そのうえで、自分も性器や口に症状がないか確認し、必要に応じて性病科などで検査を受けます。当面は症状がある時期の性行為を避け、コンドームを使いましょう。当院のような専門クリニックで、二人一緒にご相談いただくことも可能です。
自分が性器ヘルペスと診断されました。パートナーにはどう伝えればいいですか?
「浮気」と直結してしまいがちな病名なので、伝え方に迷う人は多いです。ポイントとしては、判断を急がずまず自分が正しい情報を理解すること、「お互いの健康のために、必要な情報として伝えたい」と目的をはっきりさせること、そして感染経路はすぐに特定できない(過去のパートナー・口唇ヘルペスなども含む)ことを説明することです。
性器ヘルペスがあったら、もう恋愛や結婚はあきらめた方がいいですか?
そんな必要はありません。世界中で性器ヘルペスは非常に一般的な感染症であり、多くの人が恋愛・結婚・妊娠・出産を経験しています。対策を知って上手に付き合えば、パートナーとの関係を大切にしながら生活していくことは十分可能です。「ヘルペス=人生終わり」というイメージは捨てて大丈夫です。
D. 検査・診断について
性器ヘルペスの検査はどんなことをしますか?
主な検査は視診(見て診断)です。典型的な水ぶくれ・ただれの形があれば、それだけで診断できることが大多数です。
詳しくはこちら:ヘルペスの検査と診断受診・検査のタイミングはいつが良いですか?
水ぶくれやただれが出ているできるだけ早いタイミングが理想です。症状がはっきりしているほど診断がつきやすく、抗ウイルス薬の効果も出やすくなります。前駆症状(ピリピリ)だけのときでも受診して構いませんが、見た目の情報が少ない分、他の病気との見分けが難しくなることもあります。
症状が引いてからでも検査はできますか?
症状が完全に消えてしまうと、傷をこするタイプの検査はできなくなります。血液検査(抗体検査)で「ヘルペスウイルスに感染したことがあるか」を確認することは可能ですが、いつ感染したのか、それが今回の症状と関係あるのかまでは特定できないことも多いです。「今回の症状が本当にヘルペスだったのか知りたい」という場合は、症状が残っているうちの受診が理想です。
ヘルペス抗体検査では何がわかるのですか?
抗体検査では、「過去にHSV-1/HSV-2に感染したことがあるか」が分かります。ただし、感染から抗体が出てくるまでに時間がかかること、性器ではなく口唇の感染で抗体がついていることもあるなどの限界があります。単独で「今の症状の原因」を断定する検査ではない点に注意が必要です。
検査は保険診療になりますか?
当院では自費診療のみとなっております。
性器ヘルペスと言われたら、他の性病も検査した方がいいですか?
はい、可能であれば他の性感染症もまとめて検査することをおすすめします。性器ヘルペスが見つかった場合、クラミジア・淋菌・梅毒・HIVなど、他の性感染症を同時に持っているケースも一定数あります。とくに新しいパートナーとの性行為がきっかけで発症した場合は、一度しっかりチェックしておくと安心です。
E. 治療薬・市販薬・サプリメント
性器ヘルペスの治療薬にはどんなものがありますか?
主な抗ヘルペス薬は、バラシクロビル(バルトレックス)、ファムシクロビル、アメナメビル(アメナリーフ)などです。初発・再発の治療や、毎日飲む抑制療法、前駆症状で早めに飲むPIT療法など、使い方によって選択肢が変わります。どれもウイルスの増殖を抑える薬で、「ウイルスを体から追い出す薬」ではありません。
詳しくはこちら:ヘルペスの治療法一覧初発のときはどんな治療をしますか?
初発では、症状が強く長引きやすいため、できるだけ早く抗ヘルペス薬を飲み始めることが重要です。通常は7日間、1日に数回の内服を行います。痛みが強い場合は、鎮痛剤や局所のケアも併用します。重症例では点滴治療や入院が必要になることもあります。
再発したときの「エピソード療法」とは何ですか?
再発時に、その都度一定期間だけ抗ウイルス薬を飲む治療を「エピソード療法」といいます。前駆症状や水ぶくれを見つけたタイミングで、数日間だけ内服することで、症状の期間と重さを短くできます。再発頻度が少ない方に向いている方法です。
「抑制療法」とは何ですか?
抑制療法は、年に何度も再発をくり返す方や、パートナーへの感染リスクをできるだけ減らしたい方に用いられる治療です。毎日少量の抗ヘルペス薬を飲み続けることで、再発の回数を70〜80%程度減らせるとされています。また、無症候性ウイルス排出も減らせるため、パートナーへの感染リスクも下げられる可能性があります。
「お守り薬(PIT療法)」とは何ですか?
PIT(Patient Initiated Therapy)は、「前駆症状(ピリピリ・違和感)」を感じた時点で自分の判断ですぐに内服を始める方法です。あらかじめ薬を処方しておき、再発のサインを感じたら1〜2日分を早めに飲み切るイメージです。忙しくてすぐ受診しづらい方や、再発の予兆をはっきり自覚できる方に向いています。
市販薬やドラッグストアの塗り薬で治せますか?
日本では、性器ヘルペスに対する抗ウイルス薬は基本的に医師の処方が必要です(口唇ヘルペス用の市販薬は性器には使用できません)。市販の軟膏やかゆみ止めでは、ウイルスの増殖を抑えることはできません。かえって刺激になって悪化させる可能性もあるため、自己判断でいろいろ塗るのはおすすめできません。「性器ヘルペスかも?」と思ったら、まずは受診しましょう。
市販の鎮痛剤や解熱剤は使ってもいいですか?
発熱や痛みが強い場合、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を使っても構いません。ただし、持病や他の薬との飲み合わせによっては注意が必要な場合もあります。長く飲み続けるのではなく、あくまで「痛みがつらい時の一時的な補助」と考えてください。
漢方薬やサプリメントでヘルペスは良くなりますか?
免疫を整える目的で漢方薬やビタミン・亜鉛などのサプリが使われることもありますが、「これだけでヘルペスが治る」と言えるものはありません。エビデンスがしっかりした治療は抗ウイルス薬+生活習慣の見直しです。補助的に使うのは構いませんが、サプリだけに頼って抗ウイルス薬を避けるのはおすすめできません。
抗ヘルペス薬にはどんな副作用がありますか?
比較的安全性の高い薬ですが、吐き気・食欲不振、頭痛・だるさ、まれに腎機能への負担などが報告されています。腎臓が悪い方や高齢の方では、用量調整が必要なこともあります。多くの人は大きな副作用なく内服できますが、気になる症状が出た場合は主治医に相談してください。
抗ヘルペス薬を長く飲むと耐性ができて効かなくなりませんか?
抗ウイルス薬に耐性を持つヘルペスウイルスは、主に免疫が極端に落ちている方(造血幹細胞移植後など)で問題になります。一般的な性器ヘルペス患者さんで、通常量の内服をしていて耐性化が問題になることは非常にまれです。むしろ「必要なときに適切な量をしっかり飲む」ことの方が重要です。
F. 性行為・避妊・妊娠
症状があるときは、性行為は完全に避けるべきですか?
はい。水ぶくれや傷があるときは、ウイルス量が多く非常に感染しやすい状態です。この時期の性行為(膣性交・肛門性交・オーラルセックス)は避けてください。見た目で分かる症状がなくなるまで、性器と性器・口と性器の接触は控えるのが安全です。
症状がない時は性行為をしても大丈夫ですか?
症状がない時期でも、ゼロではないものの、感染リスクはかなり低くなります。コンドームを正しく使う、再発が多い場合は抑制療法を検討する、パートナーと情報を共有し、相手も納得したうえで性行為を行う。この3つを意識すると、リスクをかなり低く抑えながら性生活を維持することができます。
性行為を再開していい目安はいつですか?
一つの目安として、「水ぶくれやただれが完全になくなり」、「触っても痛みや違和感がない状態になってから」と考えてください。初発の場合は、皮膚が治ってからもしばらく神経が過敏なこともあるので、最初は短時間・刺激の少ない行為から様子を見ていくと安心です。
片方が口唇ヘルペス、もう片方が性器ヘルペスの場合はどうなりますか?
どちらもヘルペスウイルスですが、部位やタイプ(HSV-1/HSV-2)が違う場合があります。口唇ヘルペスがある人がオーラルセックスを行うと、パートナーの性器にHSV-1が感染する可能性があります。どちらかに症状がある時期は、症状が出ている部位への接触を避けるのが基本です。
性器ヘルペスがあっても妊娠して大丈夫ですか?
すでに性器ヘルペスを持っている方でも、多くの場合は妊娠・出産が可能です。重要なのは、妊娠前〜妊娠中に主治医・産婦人科医と情報共有しておくこと、妊娠後期〜出産前に再発がないか注意してみることです。妊娠中の抗ウイルス薬の使い方は、産婦人科と連携して判断します。
詳しくはこちら:妊娠中の性器ヘルペス妊娠中に初めて性器ヘルペスになった場合は?
妊娠中、とくに出産直前に初めて性器ヘルペスになった場合は、赤ちゃんへの感染リスクが高くなるため注意が必要です。その場合は、早急に産婦人科・性感染症専門外来を受診し、抗ウイルス薬の投与や、状況によっては帝王切開を検討する必要があります。「妊娠中にヘルペスかも?」と思ったら、自己判断で様子を見ずに受診してください。
性器ヘルペスがあると、必ず帝王切開になりますか?
いいえ、必ず帝王切開になるわけではありません。妊娠前から性器ヘルペスがあり、妊娠後期〜出産時に明らかな病変がない場合には、経膣分娩が選択されることも多いです。一方で、出産直前に初発の病変がある場合などは、赤ちゃんを守るために帝王切開が選ばれることがあります。
G. 日常生活・仕事・運動・お風呂
性器ヘルペスがあっても仕事や学校に行って大丈夫ですか?
性器ヘルペスは、咳やくしゃみでうつる病気ではありません。症状が軽く、鎮痛薬などでコントロールできていれば、基本的に仕事や学校を休む必要はありません。ただし、痛みや発熱が強くてつらい場合は、無理をせず休養を優先した方が結果的に回復が早くなります。
運動・筋トレ・サウナはしても大丈夫ですか?
軽い運動は問題ありませんが、痛みが強い、下着との摩擦で悪化しそう、全身のだるさ・発熱があるといった場合は、無理をしない方が無難です。サウナや激しい運動は一時的に体力を消耗させるため、初発や強い再発のときは控えた方が安心です。体調が落ち着いてから少しずつ再開していきましょう。
お風呂・温泉・プールには入ってもいいですか?
自宅のお風呂に入ること自体は問題ありません。むしろ清潔を保つために、シャワーでやさしく洗うのは大切です。ただし、痛みが強いときの長風呂、不特定多数が入る温泉・公衆浴場、プール(水着の中で蒸れる・擦れる)などは、症状が強い時期には避けておくと無難です。傷の状態が落ち着いてから楽しみましょう。
飲酒や喫煙はヘルペスに影響しますか?
飲酒そのものが直接ヘルペスを悪化させるわけではありませんが、睡眠不足、免疫低下、性行為に対する判断力の低下などを通じて、間接的に再発や感染リスクを高めることがあります。喫煙も免疫や血流に悪影響を与えるため、可能であれば減らした方が全身の健康にとってプラスです。
生理と性器ヘルペスが重なってしまいました。どうしたらいいですか?
生理前〜生理中は、ホルモンバランスや免疫の変化からヘルペスが再発しやすくなることがあります。ナプキンや下着で擦れやすい場合はこまめに交換する、痛みが強い場合は抗ウイルス薬+鎮痛薬を併用する、トイレのあとにぬるま湯で軽く洗いしっかり乾かす、といった工夫が有効です。あまりにも再発が頻繁でつらい場合は、抑制療法も選択肢になります。
ストレスや睡眠は性器ヘルペスの再発に関係ありますか?
はい、非常に大きく関係します。睡眠不足、仕事や人間関係のストレス、強い疲労、体調不良(風邪・胃腸炎など)は、いずれもヘルペス再発の「典型的なトリガー」です。逆に、睡眠時間を確保し、適度に休みをとることで、再発の頻度が目に見えて減る方も少なくありません。
性器ヘルペスになってから、恋愛や結婚に自信が持てません。どう考えればいいですか?
そう感じるのはとても自然です。ただ、性器ヘルペスは世界的に見ても非常に一般的な感染症であり、「珍しい重い病気」ではありません。正しい知識を持つ、パートナーと落ち着いて情報を共有する、必要なら医師やカウンセラーに相談することで、多くの方が恋愛・結婚・妊娠・出産を経験しています。「ヘルペス=自分の価値の低下」では決してありません。
再発を減らすために、今日からできることは何ですか?
完全に再発をゼロにするのは難しいですが、「再発しにくい体と生活」に近づけていくことはできます。睡眠時間を確保する(まずは+30分を目標に)、無理なダイエットや過度な飲酒を控える、体調不良時・生理前などは無理な予定を入れない、再発の前兆やパターンをメモして自分なりのトリガーを把握する、必要に応じて抑制療法やPIT療法を主治医と相談する、といった積み重ねが、結果的に「再発の少ない生活」につながります。
