性器ヘルペスの「再発と抑制療法」ガイド(生活・仕事・パートナー)|恵比寿モイストクリニック

不安なあなたへ、まずお伝えしたいこと

  • 再発時は、症状の兆候(ピリピリ感など)が出てから24時間以内に内服を開始する(エピソード療法)ことが最も有効です。
  • 当院では、そのための常備薬(お守り薬)の事前処方(PIT)にも対応しています。
  • 抑制療法(毎日内服)は、再発を70~80%低減させ、パートナーへの感染リスクも約48%低下させるという報告があります。
  • 症状や違和感がある間は性行為を控えましょう。コンドームはリスクを減らしますが、完全ではありません。

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この記事でわかること

1. なぜ再発するの?(再発の仕組み)

一度感染したヘルペスウイルスは、神経節という場所に潜伏します。ストレス、疲労、体調不良、生理、紫外線の浴びすぎなどをきっかけに再活性化し、症状として現れます。

一般的に、性器ヘルペスはHSV-1型よりもHSV-2型の方が再発しやすく、症状がない時でもウイルスを排出(無症候性排出)する頻度が高いことが知られています。

だからこそ、ご自身のタイプを知り、再発時の正しい対処法(エピソード療法)や、再発自体を抑える方法(抑制療法)を知っておくことが、不安を解消する鍵となります。

2. 再発時の治療(エピソード療法・お守り薬)

再発した時だけお薬を飲む治療法です。「開始タイミングが命」で、前駆症状(ピリピリ感)や発疹が出てから1日(24時間)以内に飲み始めると最も効果が高くなります。

当院では、再発してしまった時のために、事前にお薬を処方する「お守り薬(PIT: Patient Initiated Therapy)」にも対応しています。「ピリッとした違和感」の時点ですぐに飲めることが、早く治す最大のコツです。

  • 主な治療法(例):バラシクロビル500mgを1日2回、3日間服用するなど。患者様の状態に合わせて処方します。
  • 新しい選択肢(PIT):2023年に、アメナメビル1200mgを「1回飲むだけ」で効果が期待できる治療法も、再発性の単純疱疹に対して承認されました(食後、症状の兆候から6時間以内に服用)。

迷ったらすぐに受診するか、事前処方されたお薬を開始してください。後から抑制療法に切り替えることも可能です。

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3. 抑制療法(毎日飲んで再発自体を防ぐ治療)

頻繁な再発にお悩みの方や、パートナーへの感染リスクをできるだけ下げたい方のための治療法です。抗ウイルス薬を毎日1回(または2回)飲み続けることで、再発を強力に抑えます。

  • 再発抑制効果:再発の頻度を70~80%減少させ、生活の質(QOL)を大きく改善します。長期的な安全性も確立されています。
  • 感染リスク低減効果:パートナーへの感染リスクも低減します。有名な研究では、バラシクロビル500mg/日の服用で、HSV-2のパートナーへの伝播リスクを約48%低下させたと報告されています(NEJM 2004)。
  • 用量の目安(例):アシクロビル400mg 1日2回/バラシクロビル500mg 1日1回など。
    ※年に10回以上など極めて頻回に再発する場合、バラシクロビル500mg/日では効果が不十分な可能性があり、増量を検討します。

治療はいつでも中断・再開が可能です。年に1回程度、医師と継続の必要性を見直すことが推奨されます。

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4. 再発中・予防中の生活・仕事ガイド

最も注意すべきは性行為です。それ以外の日常生活は、体調に合わせて通常通りで問題ありません。

  • 性行為:最も重要な注意点です。病変(水ぶくれ、ただれ)や前駆症状(ピリピリ感)がある間は、オーラルセックスを含め性行為は絶対に中止してください。症状が完全に治癒した後も、コンドームを常に使用することが推奨されます(リスクは減らせますがゼロにはなりません)。
  • 仕事・学校・運動・入浴:体調に問題がなければ、普段通りで構いません。患部は清潔に保ち、乾燥させることを意識してください。
  • お薬の携帯:エピソード療法(お守り薬)の方は、旅行や出張の際も必ずお薬を携帯し、前駆症状ですぐに開始できるようにしておきましょう。

5. パートナーへの伝え方と配慮

パートナーに伝えることは非常に勇気がいることですが、お互いを守るために不可欠です。当院では、伝え方のご相談にも応じています。

説明のポイント:

  1. 症状がなくても感染する可能性があること(無症候性排出)。
  2. 症状や前駆症状がある間は性行為を避ける必要があること。
  3. あなたが抑制療法を行い、コンドームを併用することが、感染リスクを下げる最も合理的で誠実な方法であること。

パートナーがご自身の感染状況を知りたい場合は、タイプ特異的IgG血液検査(検査ガイド参照)も選択肢となります。医師にご相談ください。

6. よくあるご質問

Q. 年に何回再発したら抑制療法を始めるべきですか?

A. 「年に6回以上」などの目安はありますが、回数に明確な基準はありません。再発が年2〜3回でも、1回の症状が重い方や、精神的なストレスが大きい方、パートナーへの感染を強く心配される方には抑制療法が推奨されます。当院では、頻度、症状の重さ、あなたのライフスタイルやお考えを総合的に伺い、最適な方法を一緒に考えます(共同意思決定)

Q. 抑制療法はずっと続けないといけませんか?

A. いいえ、いつでも中断・再開できます。長期に内服しても重篤な副作用や耐性ウイルスの出現は稀で、安全性は確立されています。ただし、中止すれば再発の頻度は元の状態に戻る可能性があります。そのため、一般的には年に1回程度、医師と相談して継続するかどうかを見直します。

Q. コンドームだけで感染は防げますか?

A. いいえ、ゼロにはなりません。コンドームは性器全体を覆うわけではないため、覆われていない部分に病変やウイルス排出があれば感染する可能性があります。リスクを最小限にするためには、「①症状・前駆症状がある時は性行為を避ける」「②コンドームを常に使う」「③(可能なら)抑制療法を行う」という3つの対策を組み合わせることが最も推奨されます。

7. 当院の費用(税込)

当院は、初診料・再診料込みの明朗会計です。ホームページに記載の金額以外に追加費用はかかりません。

  • 診察料(初診・再診):4,500円
  • 治療(再発時のお薬代):4,480円(エピソード療法・PIT含む)
  • 再発抑制療法(1か月分のお薬代):13,440円

※お支払い方法:現金/各種クレジットカード/電子マネー/QRコード決済に対応しております。

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🔖 監修者情報

モイストクリニック 金谷院長

監修:モイストクリニック院長 金谷 正樹
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っている。日本性感染症学会の会員として活動しており、得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かして、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療を目指している。

🖊️ この記事の執筆者

モイストクリニック宮田先生

監修:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。

参考文献