【2026年最新】日本の性感染症の動向は?梅毒10倍急増の背景と今すぐできる予防法

「最近、ニュースで梅毒が流行っているって聞くけれど、自分には関係ないかな」
「なんとなく違和感があるけれど、病院に行くのは少し怖い……」

そんなふうに思っていませんか?実は今、日本国内の性感染症(STD)は、ここ10年で劇的な変化を遂げています。特に梅毒の報告数は10年で約10倍に急増しており、性感染症は「特別な誰か」の病気ではなく、誰にとっても身近なリスクとなっています。

「もしかして?」という不安を抱えたまま過ごすのは、とても辛いものです。でも、安心してください。性感染症の多くは、正しい知識を持ち、早期に発見・治療すれば、しっかりと治すことができます。

当院(モイストクリニック)は、あなたが一日も早く安心した日常を取り戻せるよう、プライバシーを第一に考えた診療を行っています。まずは、現在の日本でどのような病気が流行しているのか、最新のデータとともに確認してみましょう。


【全体像】日本の性感染症、この10年でどう変わった?

日本の性感染症(STD)は、2000年代前半に一度ピークを迎え、その後は減少していました。しかし、直近の10年(2014年〜2023年)でその流れが大きく変わり、現在は「再流行のフェーズ」に入っています。

直近10年の主要なトレンド

🔴 梅毒

2014年比で約10倍に急増。2024年も過去最多水準を更新しており、最も警戒が必要です。

🔴 クラミジア・淋病

2010年代後半から微増傾向。特に20代前半の若年層でリスクが高まっています。

🔵 尖圭コンジローマ

男性は微増ですが、若年女性では減少。ワクチンの効果が見え始めています。

国が指定する約1,000カ所の医療機関からの報告をまとめると、特に**20代前半の男女**において感染報告が目立ちます。人口が減っている世代にもかかわらず報告数が増えているということは、一人ひとりの感染リスクが以前よりも相対的に高まっていることを示唆しています。

💡 モイストクリニックの視点:なぜ今、増えているのか?

単なる「不運」や「不摂生」ではなく、社会の変化が大きく影響していると私たちは考えています。

  • マッチングアプリの普及と匿名性
    SNSやアプリを通じてパートナーを見つける文化が定着しました。出会いの機会が増えた一方で、相手の過去の感染歴や交友関係が不透明なまま関係を持つケースが増えています。
  • 「コンドーム=避妊具」という認識の偏り
    ピル(経口避妊薬)の普及は素晴らしいことですが、それにより「妊娠しなければ大丈夫」とコンドームを使わない選択をする方が増えています。コンドームは「性感染症を防ぐ唯一のバリア」であることを再認識する必要があります。
  • 「まさか自分が」という知識のギャップ
    梅毒などのニュースは増えていますが、具体的な症状(痛みのないしこりや湿疹など)が正しく知られていません。その結果、症状が出ても「ただの肌荒れかな?」と見過ごされ、感染を広げてしまうサイクルが起きています。
  • 性風俗利用・従事の多様化
    統計データによれば、梅毒患者の一定割合に風俗関連の利用歴・従事歴が見られます。個人間のパパ活やSNSを介したやり取りなど、従来の管理された店舗以外での接触が増えていることも、追跡や対策を難しくしている一因です。

大切なのは、増えていることを怖がることではなく、**「今の状況に合わせて賢く守る」**ことです。少しでも不安があるときは、一人で悩まずに検査を受ける。それが自分と、大切なパートナーを守る唯一の方法です。

性器クラミジア:国内最多。20代の感染リスクが上昇中

性器クラミジアは、現在日本で最も多く報告されている性感染症です。2015年を境に増加傾向へ転じており、特に20代前半の若年層において男女ともにリスクが顕著に高まっています。

年間報告数 29,795 ※2024年 暫定速報値
リスクのピーク 20代前半 若年層での増加が顕著
🏔️

この数字は「氷山の一角」です
これは一部の医療機関からの報告のみを集計した数値。実際には、この数倍以上の潜在的な感染者がいると推測されています。

男性の症状 約50%が無症状
  • 尿道の軽いかゆみ・違和感
  • 排尿時のわずかな痛み
  • さらさらした透明な分泌物
女性の症状 約80%が無症状
  • おりものの増加・においの変化
  • 不正出血(性交時など)
  • 下腹部の違和感・どん痛

⚠️ 将来を守るために知っておきたいこと

クラミジアの本当の怖さは、症状の軽さとは裏腹に、体内で着実に進行するダメージにあります。

  • 不妊リスク: 放置すると卵管炎や精巣上体炎を引き起こし、将来の妊娠に影響を与える可能性があります。
  • のどへの感染: オーラルセックスを通じて、自覚症状のないまま「のど」にも感染が広がります。
  • ピンポン感染: パートナーの一方だけが治療しても、もう一方が未治療なら、再び感染を繰り返してしまいます。

まずは「検査」という、あなたとパートナーを守るための最初の一歩を。

淋菌感染症:男性に多く、薬が効かない「耐性菌」も課題に

淋菌(りんきん)は、クラミジアに次いで報告数が多い細菌性の性感染症です。2016年以降、男女ともに横ばいから微増傾向にあり、特に男性の報告数は女性の約3倍と、男性側に強い症状が出やすいのが特徴です。

年間報告数 8,789 ※2024年 暫定速報値
男女比(男:女) 約 3:1 圧倒的に男性の報告が多い
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実数はさらに多い可能性があります
この数値は「定点医療機関」からの報告のみ。実際には、この数倍以上の潜在的な感染者がいると推測される「氷山の一角」です。

男性の症状 比較的強い症状
  • 尿道から黄色く濁った膿(うみ)が出る
  • 排尿時に突き刺すような激しい痛み
  • 尿道口が真っ赤に腫れる
女性の症状 約70〜90%が無症状
  • おりものの量が増える・色がつく
  • 不正出血や性交時の痛み
  • 自覚がないまま炎症が進行

⚠️ 治療における最重要ポイント

淋菌は近年、従来の飲み薬が効きにくい「耐性菌」が増えており、確実な治療が必要です。

  • 薬の自己判断は厳禁: 中途半端な治療は菌を強くしてしまいます。必ず専門医の指示に従ってください。
  • 現在の標準治療: ガイドラインでは、高い効果が期待できる「セフトリアキソン」の点滴または筋肉注射による治療が主流です。
  • のどへの感染リスク: 喉(のど)に感染しても無症状のことが多く、オーラルセックスを通じて感染が広がるケースが増えています。

淋菌は進行が早い病気です。「おかしいな」と思ったら、我慢せず早急に受診してください。

梅毒:過去最多を更新。10年で10倍に増えた深刻な背景

梅毒(ばいどく)は、今日本で最も劇的に増加している性感染症です。2014年には約1,700件だった報告数が、2022年には1万件を突破。現在も過去最多水準を更新し続けており、流行の規模はかつてないレベルに達しています。

年間報告数 14,663 ※2024年 暫定速報値
10年間の増加率 約 10倍 かつてない流行の波
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全数届出でも「未受診」の影があります
梅毒は全医師に届出が義務付けられていますが、本人が「ただのデキモノ」と思って受診していないケースを含めると、実際の感染者はさらに膨大であると考えられます。

男性の傾向 20代〜40代に幅広く発生
  • 性器や口の痛くない「しこり」
  • 足の付け根のリンパ節の腫れ
  • 全身に広がる淡い赤い湿疹(バラ疹)
女性の傾向 20代前半の感染が急増
  • 自分では気づきにくい場所の「しこり」
  • 放置による赤ちゃんへの感染リスク
  • 妊娠を希望する方は特に早期検査を

⚠️ なぜ今、これほどまでに増えているのか?

単なる流行ではなく、現代の性行動様式の変化が大きく影響していると私たちは考えています。

  • SNS・アプリの普及と匿名性: 性的パートナーが頻繁に変わる環境に加え、感染の追跡が難しい個人間の接触が増えています。
  • 「消える症状」の罠: 初期のしこりや腫れは、放置すると数週間で自然に消えてしまいます。これを「治った」と勘違いし、体内に菌を残したまま他人に移してしまうことが拡大の最大の要因です。
  • 母子感染(先天梅毒)の深刻化: 若い女性の感染増に伴い、胎児への影響も報告されています。もはや一世代だけの問題ではありません。

梅毒は早期発見すれば、飲み薬で確実に治療できます。「もしかして」という直感を、検査で安心に変えましょう。

性器ヘルペス:幅広い年代で発生。再発とどう付き合うか

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる感染症です。一度感染するとウイルスが神経節に潜伏し、体の抵抗力が落ちたときに「再発」を繰り返すのが大きな特徴。2010年以降、微増傾向にあり、特に女性の報告が多い疾患です。

年間報告数 10,001 ※2024年 暫定速報値
男女比(男:女) 約 4:6 女性の報告が上回る傾向
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軽症だと受診しない方が非常に多い疾患です
「少しムズムズする」「デリケートゾーンの肌荒れかな?」と自己判断で済ませているケースが多く、実際の感染者数は統計より遥かに多いと考えられています。

男性の傾向 40〜50代で微増
  • 性器周辺の小さな水ぶくれ(水疱)
  • むずがゆさ、ヒリヒリとした違和感
  • 水ぶくれが破れた後の潰瘍(かいよう)
女性の傾向 初感染時は強い痛み
  • 外陰部の激しい痛み、排尿困難
  • 高熱や全身のだるさを伴うことも
  • 20代後半から50代まで幅広く発生

⚠️ ヘルペスと向き合うための知識

ヘルペスは現代の医学ではウイルスを完全に排除することはできませんが、コントロールは十分に可能です。

  • 早期治療が肝心: 発症後、できるだけ早く抗ウイルス薬を内服することで、症状を軽く、短く抑えることができます。
  • 再発予防の治療法: 頻繁に再発を繰り返す方には、毎日お薬を飲むことで再発を未然に防ぐ「再発抑制療法」という選択肢もあります。
  • 無症状でも移る可能性: 症状が出ていないときでも、ウイルスが皮膚の表面に出てきていることがあり、パートナーへ感染させるリスクがあります。

「いつものこと」と諦めず、最新の治療で症状を最小限に抑えましょう。

尖圭コンジローマ:ワクチン世代の若年女性で減少傾向

尖圭(せんけい)コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によって、性器周辺に「いぼ」ができる疾患です。日本では、ワクチンの普及により若年女性の報告数が減少する一方で、男性や中高年層では依然として横ばい、あるいは微増傾向が続いています。

年間報告数 6,384 ※2024年 暫定速報値
特徴的な動向 世代間で差 若年女性で減少、男性は微増
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「ただのイボ」と見過ごされていませんか?
痛みやかゆみがほとんどないため、市販のイボ薬を塗ったり放置したりするケースが非常に多い疾患です。自己判断で菌を広げてしまう前に、専門医による診断が必要です。

男性の傾向 20代後半〜50代で増加
  • 亀頭や包皮にできるピンク・茶色のイボ
  • 「カリフラワー状」や「鶏のトサカ状」の突起
  • 痛みはないが、徐々に数が増えることも
女性の傾向 10〜20代で減少傾向
  • 大小陰唇や膣口周辺のイボ
  • おりものの変化やかゆみを伴う場合がある
  • ワクチン未接種の世代ではリスクが残る

⚠️ 予防と再発防止の鍵は「HPVワクチン」

コンジローマは一度治療しても、ウイルスが皮膚に残っていると再発しやすい厄介な疾患です。

  • ワクチンの劇的な効果: HPVワクチンが普及しているオーストラリアでは、若年層の発症率が90%以上激減したという報告があります。
  • 男性への接種も推奨: 日本でも男性へのHPVワクチン接種が承認されており、自分自身のコンジローマ予防だけでなく、パートナーを子宮頸がん等のリスクから守ることにも繋がります。
  • キャッチアップ接種の活用: 過去に接種機会を逃した世代の方も、今からの接種で高い予防効果が期待できます。

イボを見つけたら、触ったり潰したりせず、まずは専門クリニックへお越しください。

HIV/エイズ:早期発見のための検査と最新の予防知識

日本国内における新規HIV感染者・エイズ患者の報告数は、毎年1,000件前後で推移しています。近年はCOVID-19の影響による検査控えを経て、再び報告数が増加に転じています。HIVはもはや「死の病」ではなく、早期発見によりコントロール可能な疾患となりましたが、依然として課題も残っています。

新規報告数(年間) 994 ※2024年 暫定速報値
エイズ発症後の発覚 約 30% 「いきなりエイズ」の割合
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検査機会の損失が「エイズ発症」を招きます
HIV感染からエイズ発症までは数年〜10年程度の無症状期間があります。この間に検査を受けないことで、発症してから初めて感染に気づく「いきなりエイズ」が後を絶ちません。

男性の傾向 20代〜40代が中心
  • 主な感染経路は同性間性的接触(約70%)
  • 初期に風邪に似た症状(発熱、リンパ節腫脹)
  • 数週間の初期症状後、長い無症状期へ
女性の傾向 20代〜30代が中心
  • 主な感染経路は異性間性的接触
  • 報告数自体は少ないが、全例が異性間感染
  • 不妊治療や妊娠時の検査で発覚することも

⚠️ 現代のHIV治療と予防のスタンダード

医療の進歩により、HIVを取り巻く状況は劇的に変化しました。今、知っておくべきキーワードが2つあります。

  • U=U (Undetectable = Untransmittable): 治療によってウイルス量が検査限界以下に抑えられていれば、性行為によって他の人に感染させることはありません。
  • PrEP/PEP(曝露前後予防): 性交渉の前に薬を飲むことで感染を予防する「PrEP」、曝露直後に薬を飲み感染を防ぐ「PEP」という選択肢が広がりつつあります。
  • 早期発見のメリット: 早く見つけることで、免疫力が低下する前に治療を開始でき、健康な人と変わらない寿命・生活を維持できます。

HIV検査は、自分自身の体調を管理するための「定期健診」の一つです。勇気を持って一歩踏み出しませんか?

国内外の最新動向:進む予防策のアップデート(Doxy-PEPなど)

性感染症の予防は今、大きな転換期を迎えています。海外では米国CDCなどの公的機関が新たな予防法をガイドラインに盛り込み始めており、日本国内においても、最新のエビデンスをいち早く取り入れた専門クリニックでの導入が進んでいます。単に「治す」だけでなく「未然に防ぐ」時代へとシフトしています。

Doxy-PEPの予防効果 約 2/3 減 細菌性STIの発生率を大幅低減
国内の現状 専門外来で導入 指針に基づいた適切な処方

日本でも「最先端の予防」が選択肢に
かつては「海外だけの話」だった予防法も、現在は国内の専門クリニックにおいて自費診療の枠組みで提供され始めています。専門医による適切なカウンセリングのもと、安全に利用できる環境が整いつつあります。

Doxy-PEP(予防内服) 国内でも導入開始
  • 性行為後72時間以内に特定の抗菌薬を服用
  • 梅毒・クラミジアに対し高い予防効果を証明
  • 再感染のリスクが高い方への有効な選択肢
PrEP / PEP(HIV予防) 普及が進む新常識
  • HIV感染を未然に防ぐための内服療法
  • 自費診療にて多くの専門クリニックが提供
  • 適切な検査とセットでの継続がスタンダード

⚠️ 専門クリニックによる適切な指針と管理

これらの新しい予防法は、ただ薬を飲めば良いというわけではありません。適切な管理下で行うことが重要です。

  • 耐性菌への配慮: 抗菌薬の無秩序な使用は薬が効かない菌を生むリスクがあります。そのため、専門医は服用期間や対象者を限定した独自の「適正使用指針」を設けています。
  • 定期的なスクリーニング: 予防内服を行っていても、他の感染症を見逃さないための定期検査がセットで推奨されます。
  • 個別カウンセリング: 性行動のスタイルに合わせて、最もリスクを低減できる方法を医師と一緒にプランニングすることが大切です。

世界基準の予防策を、あなたに合わせた形で。最新の知見に基づくサポートを提供しています。

まとめ:あなたの「安心」のために今できること

日本の性感染症、特に梅毒の急増や若年層のクラミジア感染など、現状のデータを見ると不安を感じるかもしれません。しかし、今回お伝えしたかった最も重要な事実は、**「性感染症の多くは、早期発見・治療でしっかりと治せる」**ということです。

🔍 まずは現状を
「知る」こと
🏥 「もしかして?」で
早めに相談
👫 大切な人のために
ペアで受診

🍀 モイストクリニックからあなたへ

性感染症の検査や受診は、勇気がいることかもしれません。でも、放置して悩み続ける時間は、あなたの心にも体にも負担をかけます。当院では以下のことをお約束しています。

  • プライバシーの徹底: 誰にも知られず、リラックスして相談できる環境を整えています。
  • 迅速な検査と治療: あなたの時間を大切にし、最新の知見に基づいたスピーディーな対応を心がけています。
  • 心に寄り添う診療: どんな小さなお悩みも、私たちは否定せず、真摯に受け止めます。

今の不安を「安心」に変えるために。
私たちと一緒に、健康な未来への一歩を踏み出しませんか?

モイストクリニック 院長 金谷 正樹
この記事の監修

金谷 正樹Masaki Kanaya

国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックにて性感染症を中心に診療を行う。

日本性感染症学会 会員。細菌学と免疫学の知識を活かし、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療の実践を目指している。
参考文献・参照データ
  • 厚生労働省 感染症発生動向調査年報
  • 国立感染症研究所 サーベイランス報告
  • 日本性感染症学会 性感染症 診断・治療ガイドライン
  • CDC(米国疾病対策センター)STI Guidelines
  • WHO(世界保健機関)STI Data & Reports
  • 東京都 性感染症動向報告資料