監修:金谷正樹 医師|医学確認日:2026年9月18日
淋菌の検査は、感染が心配な部位から尿やぬぐい液などを採取して行います。性器・のど・肛門は、それぞれ必要な部位を調べることが大切です。 尿検査で陰性でも、のどや肛門の感染まで否定できるわけではありません。[1][2]
無症状で感染の有無を確認したい場合、検査時期は心当たりのある最後の接触から約2週間後が一つの目安です。ただし、排尿時の痛みや膿などの症状がある方、パートナーが淋菌陽性だった方は、日数を待たずに受診してください。[3][4]
この記事では、初めて淋菌の検査を受ける方に向けて、検査時期、採取する部位、検査方法、結果の見方と当院の費用を解説します。
淋菌の検査はいつから受けられますか?
症状がある場合やパートナーが陽性の場合は、すぐに相談できます。 無症状で確認する場合は、最後の感染機会から約2週間を目安に、検査日を相談してください。
感染してすぐは、検体中の菌が少なく、検査で捉えられないことがあります。早い時期に検出できる場合もありますが、「翌日に陰性だったから感染していない」とは判断できません。[3][4]
英国のBASHHガイドラインでは、淋菌陽性と分かっている相手と接触した場合、2週間以内の陰性では感染を否定できず、治療を受けていない場合は期間をあけた再検査を勧めています。この場合も、2週間待ってから受診するという意味ではありません。[4]
約2週間は、どの検査でも必ず感染が分かる期限ではありません。検査法や症状、相手の結果によって判断が変わります。[3][4]
| 現在の状況 | 検査・受診の考え方 |
|---|---|
| 排尿時の痛み、膿、おりものの変化などがある | 日数を待たずに受診し、必要な検査を受ける |
| パートナーが淋菌陽性だった | 無症状でも早めに受診。検査と治療の必要性を医師が判断する |
| 無症状で、感染が心配な接触があった | 最後の接触から約2週間を一つの目安に検査を相談する |
| 接触後すぐに検査して陰性だった | 検査日と部位を確認し、再検査が必要か相談する |
「症状が出るまでの期間」と「検査で感染を捉えられるまでの期間」は同じではありません。症状が出ない感染もあるため、症状の有無だけで検査の要否を決めないことが大切です。[1][3]
強い下腹部痛、発熱を伴う精巣の痛み・腫れ、目の強い痛みや膿などがある場合は、通常の検査予約を待たず、当日中に医療機関へ相談してください。[4][5]
尿検査だけで、のどや肛門も調べられますか?
尿検査で確認するのは主に尿道の感染です。 のどや肛門を調べるには、その部位から検体を採取する必要があります。淋菌は複数の部位に感染することがあり、症状がある場所だけを調べれば十分とは限りません。[2]
表は横にスクロールできます
| 調べる部位 | 一般的な検体 | 検査を考える場面 |
|---|---|---|
| 性器・尿道 | 尿、尿道の分泌物など | 排尿時の痛み、膿、性器への接触がある |
| 性器・腟/子宮頸部 | 腟や子宮頸部のぬぐい液など | おりものの変化、不正出血、性器への接触がある |
| のど(咽頭) | のどのぬぐい液、うがい液など | オーラルセックスなどで口・のどへの接触がある |
| 肛門・直腸 | 肛門・直腸のぬぐい液 | 肛門への接触、痛みや分泌物などがある |
検体の種類や採り方は、使用する検査法によって異なります。上の表は一般的な方法で、当院での採取方法は受診時にご案内します。[1][2][6]
のどや直腸の感染は、症状がないことも珍しくありません。オーラルセックスやアナルセックスの有無、どの部位に接触したかを診察時に伝えると、必要な検査を選びやすくなります。性器で陽性だった場合も、ほかの部位の検査が必要か確認しましょう。[2][4]
淋菌の検査方法には、どんな違いがありますか?
淋菌を調べる主な方法には、PCR法などの核酸増幅検査、培養検査、顕微鏡検査があります。感染の有無を調べる検査と、薬の効き方を調べる検査では役割が異なります。[2][6]
表は横にスクロールできます
| 検査方法 | 主な役割 | 知っておきたい点 |
|---|---|---|
| 核酸増幅検査(NAAT) | 淋菌の遺伝物質を増やして検出する | 少量の菌を捉えやすい。通常の検査では薬の効き方までは分からない |
| 培養検査 | 生きた菌を育てて調べる | 菌が得られれば、薬剤感受性検査で抗菌薬の効き方を調べられる |
| 顕微鏡検査 | 染色した分泌物などを観察する | 主に症状のある男性の尿道炎で、迅速な診断の助けになる |
PCR検査と核酸増幅検査(NAAT)の関係
PCR法は核酸増幅検査の一つです。核酸増幅検査にはPCR以外の方式もあり、検査名が違っていても、淋菌の遺伝物質を調べる点は共通しています。血液中の抗体を調べる検査とは異なります。[2][6]
一般に培養検査より感染を捉えやすい方法ですが、検査する部位や検体採取の状態によって結果が変わります。「PCRなら、いつ・どの部位を調べても100%分かる」というものではありません。[2][4]
培養検査は、治らないときにも役立ちます
培養は、生きた淋菌を増やして確認する検査です。淋菌は取り扱いが難しく、検体の保存や運搬の条件によっては、感染していても菌が育たないことがあります。[6]
一方、培養で菌が得られれば、薬が効くかどうかを調べる薬剤感受性検査につなげられます。治療後も症状が続く場合や治療が効いていないと疑われる場合に重要です。当院では、必要に応じて培養・薬剤感受性検査の手配を検討します。すべての初回検査や陰性確認で、培養が必須という意味ではありません。[2]
顕微鏡で見えなければ、陰性ですか?
顕微鏡検査は、膿などの症状がある男性の尿道炎で、早く診断する助けになります。ただし、症状がない場合や、女性の性器・のど・直腸では見逃しが生じやすく、菌が見えなかったことだけで感染を否定することはできません。 検査する部位や症状に合った方法を選びます。[2][6]
検査前に気をつけることはありますか?
尿を採る検査では、一般に出始めの尿(初尿)を使います。健康診断などで採る途中の尿とは採り方が異なるため、容器を受け取った際の説明に従ってください。排尿からどれくらい時間をあけるか、飲食・うがいを控える必要があるかも、検査方法ごとの案内を確認しましょう。[2]
受診前に排尿した場合も、自己判断で受診を取りやめず、受付でお伝えください。採取のタイミングを調整できる場合があります。
抗菌薬を服用中、または最近まで服用していた方は、薬の名前と服用期間をお知らせください。検査結果の解釈や検体を採るタイミングに関わります。検査のために処方薬を自己判断で中断したり、残っている抗菌薬を先に飲んだりしないでください。[2][6]
郵送検査を利用する場合は、調べられる部位、検体の採取方法、陽性だった場合の受診先を確認してください。痛みや膿などの症状がある場合は、キットや結果を待つより、診察を受けることを優先しましょう。[5]
陰性・陽性の結果は、どう受け止めればよいですか?
陰性でも症状が続く場合
陰性は、採取した検体で淋菌が検出されなかったという結果です。接触からの期間が短かった、感染した部位を検査していなかった、検体を十分に採れなかったなどの場合には、感染を見逃す可能性があります。[2][3]
また、排尿時の痛みやおりものの変化には、クラミジアなど淋菌以外の原因もあります。症状が続く方は「淋菌が陰性だから問題ない」とせず、追加の検査や診察を受けてください。クラミジアも調べたい方は、クラミジアの初回検査をご覧ください。[1][5]
陽性だった場合
症状がなくても受診が必要です。他院や郵送検査で陽性だった方は、検査日・検査部位・結果が分かるものをお持ちください。医師が結果と症状、治療歴を確認して治療を判断します。[1]
検査結果だけで、いつ・誰から感染したかを特定することはできません。パートナーにも受診を勧め、治療や性行為を再開する時期について説明を受けてください。自己判断で薬を分け合うことは避けましょう。[1][5]
当院の治療薬や費用、性行為を控える期間は、淋病の治療薬・治療期間の記事で詳しく解説しています。
治療後の再検査は、初回検査と何が違いますか?
初回検査は「感染しているか」を調べます。治療後には「治療で陰性になったかを確認する検査」と「その後の再感染を調べる検査」があり、目的と時期が異なります。
当院では、性器・のど・肛門のいずれも治療後の陰性確認をご案内しています。のどは治療後7〜14日を目安とし、性器・肛門は医師が時期を指定します。さらに、約3か月後の再感染チェックもご案内しています。
治療後早い時期の核酸増幅検査では、死んだ菌の遺伝物質が残って陽性になることがあります。早期の陽性だけで「薬が効かなかった」とは判断せず、検査法や治療後の日数、再び感染する接触がなかったかを確認します。治療後も症状が続く場合は、予定の検査日を待たずに相談してください。[2]
詳しい時期と再陽性時の対応は、治療期間・再検査の説明をご確認ください。

当院の検査費用と、結果が出るまでの日数
モイストクリニックの淋菌検査は自由診療です。検査する部位や、一緒に調べる感染症によって料金が変わります。
| 検査内容 | 料金(税込) |
|---|---|
| 淋菌単独・1部位(性器/のど/肛門) | 4,500円 |
| 淋菌・クラミジアセット・1部位(性器またはのど) | 6,500円 |
| 即日検査オプション | 1項目 +4,000円 |
| 治療後の淋菌陰性確認・1部位 | 4,500円 |
4,500円は3部位すべてを含む料金ではありません。 例えば、淋菌単独で性器とのどの2部位を調べる場合、検査料金は合計9,000円です。培養・薬剤感受性検査など追加検査の費用は、必要性と合わせて個別にご案内します。
即日検査は「1項目」ごとの追加料金です。淋菌・クラミジアセットの両項目を即日検査にする場合、追加は計8,000円となります。希望する部位での即日対応の可否と受付時間は、予約時にご確認ください。受付時刻・検体の状態・検査体制により、翌日以降の報告になる場合があります。
通常の淋菌検査の結果は、標準で2日です。検査処理は月曜日〜土曜日で、検体の状態により1日程度前後することがあります。結果を確認できる予定日と確認方法は、受診時にご案内します。
陽性だった場合の治療費は検査料と別です。当院の標準的な淋菌治療は14,980円(税込)で、治療後の再検査にも別途費用がかかります。詳しくは性感染症の検査・治療料金一覧をご覧ください。
保険診療を行う医療機関では、症状や診察所見などにより保険適用となる場合があります。また、保健所によっては淋菌検査を実施していますが、検査項目・部位・日程・費用は施設ごとに異なります。[7]
症状、最後に心当たりのある接触があった日、調べたい部位を診察時にお伝えください。淋菌単独検査は1部位4,500円(税込)です。
監修医師

金谷正樹 医師
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療。日本性感染症学会の会員として活動しています。
参考資料
- 厚生労働省:淋菌感染症
- CDC:Gonococcal Infections — STI Treatment Guidelines
- Oxford University Hospitals:How long should I wait before I test?
- BASHH:National Guideline for the Management of Gonorrhoea(2025年4月)
- NHS:Gonorrhoea
- 京都大学医学部附属病院検査部:核酸同定(淋菌)
- 厚生労働省:性感染症検査・相談マップ
資料確認日:2026年9月17日。検査の一般的な説明と、当院の料金・提供条件は区別して記載しています。
