行為別の性病リスクと検査

行為から、必要な検査を考える

気になる行為から、
接触した部位を確認。

同じ性行為でも、口で触れたか、性器を触れられたかで、確認する部位は変わります。
行為・接触部位・経過時間から、性病のリスクと受診の目安を整理します。

まずは、3つを確認

  1. 01

    どこが触れたか

    性器・のど・肛門は、別々に考えます。

  2. 02

    いつの接触か

    感染直後の陰性だけでは、感染を否定できない場合があります。

  3. 03

    症状・相手の陽性は

    症状や相手の感染が分かった場合は、日数を待たずに相談します。

行為別のリスクと、確認する部位

自分の体のどこに接触があったかを確認してください。複数の行為があった場合は、当てはまる項目を組み合わせて読みます。

01

膣性交(セックス)

性器同士の接触・挿入

尿道・膣などの性器

周囲の皮膚や病変との接触

接触した皮膚・粘膜

クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、B型肝炎、トリコモナス、ヘルペス、HPVなどが関係します。病気によって、分泌物や粘膜を介するもの、皮膚・病変の接触でうつるものがあります。[1][4][5][8]

尿・膣ぬぐい等の検査、できものの診察、必要に応じた採血を組み合わせます。膣性交があったという理由だけで、検査セットが一つに決まるわけではありません。

膣性交の性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
02

フェラチオ(口と陰茎)

する側

自分の口で相手の性器に触れた

自分の口・のど

される側

自分の性器を相手の口で触れられた

自分の性器

淋菌・クラミジアなどは、性器からのどへ、のどから性器へうつることがあります。梅毒やヘルペスなども、粘膜や病変との接触で関係します。[2]

フェラチオをされたという理由だけで、自分ののどを調べるとは限りません。する・されるの両方があった場合や、ほかの行為もあった場合は、それぞれの接触部位を伝えてください。

フェラチオの性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
03

クンニリングス(口と外陰部)

する側

自分の口で相手の外陰部に触れた

自分の口・のど

される側

自分の外陰部を相手の口で触れられた

自分の外陰部・性器

口・のどと性器の間で、淋菌、ヘルペス、梅毒などの感染が起こり得ます。おりもののにおいや見た目だけで、性感染症かどうかは判断できません。[2]

のどの症状がなくても、口で接触したことは検査を考える情報になります。される側でおりものの変化や外陰部の痛みがある場合は、その症状を診察で確認します。

クンニの性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
04

アナルセックス(肛門性交)

受ける側

自分の肛門に挿入された

自分の肛門・直腸

挿入する側

自分の性器を相手の肛門に挿入した

自分の性器

淋菌・クラミジアの直腸感染のほか、HIV、梅毒、B型肝炎、ヘルペス、HPVなどを接触内容に応じて考えます。肛門・直腸の感染も、症状が出ない場合があります。[4][5][8]

尿検査が陰性でも、直腸感染を否定したことにはなりません。出血・痛み・分泌物がある場合は、検査だけでなく診察も必要です。

アナルセックスの性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
05

キス

唇・口の粘膜が触れた

口唇・口の中、病変の有無

口唇ヘルペスや、口に梅毒の病変がある場合などは、接触で感染することがあります。一方、HIVは唾液からは感染しません。[9][10]

キスだけの場合と、オーラルや挿入もあった場合は分けて考えます。口の水ぶくれ・ただれ・しこりなどがあれば診察を受け、必要な検査を選びます。

キスの性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
06

手・指で触る、挿入せずに触れ合う

手指で性器や肛門に触れた

手指の傷、触れた部位や病変

性器同士・周囲の皮膚が触れた

接触した性器・皮膚

挿入がなくても、ヘルペス、HPV、梅毒などは皮膚や病変との接触で感染し得ます。手で触れた場合は、傷のない皮膚への接触か、病変・血液・分泌物が傷や粘膜に触れたかで判断が変わります。[8][10]

手・指で触れたという情報だけで、全項目の検査が必要とはいえません。分泌物のついた手で目を触り、目の痛み・充血・膿が出た場合は早めに受診してください。

手・指で触る行為の性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
07

リミング(口と肛門)

する側

自分の口で相手の肛門に触れた

自分の口・のど

される側

自分の肛門を相手の口で触れられた

自分の肛門周囲

淋菌、梅毒、ヘルペスなどに加え、便を介するA型肝炎や腸管感染症にも注意が必要です。のどの検査だけで、これらをすべて調べられるわけではありません。[2]

下痢・腹痛・発熱、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状があれば、接触内容を伝えて受診してください。

リミングの性病リスクを詳しく見る部位に合う検査を見る
08

性具を共有した

同じ性具を相手と共有した

接触した性器・肛門など

部位を変えて続けて使用した

移動前後の接触部位

性具に付着した分泌物や血液などを介して感染する可能性があります。誰が使ったか、どの部位に使用したか、洗浄やコンドーム交換の有無を確認します。[10]

使用者や部位が変わるごとにコンドームを交換し、性具の説明に従って洗浄してください。

部位に合う検査を見る

コンドームの使用も、部位ごとに確認

コンドームありでも、接触した場所を確認

正しく最初から最後まで使うと、多くの性感染症のリスクを下げられます。ただし、ヘルペス・HPV・梅毒などは、覆われていない皮膚や病変から感染する場合があります。挿入時には使用していても、オーラルセックスでは使っていなかった、途中から装着した、破れた・外れたといった状況も伝えてください。[8]

コンドームなし・破損・脱落があった

まず接触した日時を確認します。HIVのリスクがある場合のPEP、妊娠の可能性がある場合の緊急避妊、症状に対する診察は、通常の検査日まで待つ対応ではありません。症状がない場合の検査は、疾患と部位ごとに時期を決めます。

風俗利用後・複数の行為があった方へ

お店やサービスの名前だけでは、必要な検査は決まりません。「キスをした」「自分の口で触れた」「自分の性器を触れられた」「膣・肛門への挿入があった」のように、実際の接触を分けて伝えてください。相手の職業や見た目から、感染しているかどうかを判断することもできません。

分かる範囲で、行為の日付、接触部位、コンドームの使用、症状、相手の検査結果をメモしておくと、診察で確認しやすくなります。分からない項目があっても相談できます。

風俗利用後の検査・受診について詳しく見る

検査は、接触した部位に合わせる

性器の検査だけでは、のどや直腸の感染までは分かりません。 どの部位の、何の感染症を検査した結果なのかを確認することが大切です。[4][5]

性器・尿道のクラミジア、淋菌

調べ方男性は尿、女性は膣ぬぐい等

確認点のど・直腸の結果にはならない

のどのクラミジア、淋菌

調べ方のどのぬぐい液等

確認点のどに症状がなくても感染する場合がある

肛門・直腸のクラミジア、淋菌

調べ方肛門・直腸のぬぐい液等

確認点尿検査で代用しない

HIV・梅毒・B型肝炎など

調べ方疾患ごとの血液検査

確認点項目と検査法ごとに検査時期が異なる

水ぶくれ・ただれ・いぼ

調べ方診察、必要に応じた病変部の検査等

確認点採血や検査セットだけで全病変を診断できるわけではない

例えば、相手にフェラチオをして、自分の性器も口で触れられた場合は、のどと性器の両方に接触があります。一方、口を使ったのが相手だけなら、自分ののどに同じ接触があったことにはなりません。

当院のクラミジア・淋菌検査は、通常検査に加え、即日検査にも核酸増幅検査を使用しています。「即日」は結果が出るまでの速さであり、行為直後の感染をすべて否定できるという意味ではありません。

検査を受ける時期と、受診する時期

症状が出るまでの「潜伏期間」と、検査で検出できるまでの期間は別です。 症状がなくても感染していることがあり、感染直後は陰性になることがあります。[1][6][7]

症状が出る時期病気によって異なる

症状が出ない感染もあります。

≠
検査で分かる時期病気・検査法で異なる

早すぎると陰性になる場合があります。

現在の状況・検査 考え方
症状がある/相手が陽性だった 日数を待たず相談。診察・検査・必要な治療を判断します
無症状でクラミジア・淋菌を調べたい 最後の感染機会から約2週間後が一つの目安。早く検査して陰性だった場合は再検査を検討します
HIV・梅毒を調べたい 血液検査でも方式により時期が異なります。早期の検査と、感染を否定するための再検査を分けて計画します
水ぶくれ・ただれがある 病変がある間に早めに診察。消えるまで待つと、病変部の検査が難しくなることがあります[11]

約2週間はすべての性病が確実に分かる期限ではありません。HIVでは、検査室で行う静脈血の抗原抗体検査は通常18〜45日、抗体検査は23〜90日が検出までの期間の目安とされています。使う検査が違えば、この日数をそのまま当てはめられません。PEP・PrEPを使用した場合は、服用後の検査計画を医師に確認してください。[6]

クラミジアの初回検査の詳しい時期は、クラミジア検査はいつから?で説明しています。

待たずに、相談してほしい状況

検査で分かる時期を待つことと、受診を待つことは別です。

電話で相談050-8885-0783

HIVが心配な接触から72時間以内

HIVの感染リスクがある接触から72時間以内の場合は、HIVの感染を防ぐための予防内服「PEP」を検討する時間帯です。開始は早いほどよく、検査で陽性になるのを待ちません。コンドームなしの膣・肛門性交、破損・脱落などがあり心配な方は、すぐに医療機関へ相談してください。実施の必要性は接触内容と相手の感染・治療状況等で判断します。[3]

症状がある・相手が陽性だった

痛み・膿・水ぶくれ・ただれ・発疹がある方、パートナーの陽性が分かった方は、無症状の方向けの検査時期を待たずに受診してください。突然の強い精巣痛、強い下腹部痛と発熱、大量の出血などは、性感染症以外の緊急疾患も考えて早急な診察が必要です。

妊娠の可能性がある

妊娠の可能性がある場合の緊急避妊は、性感染症の検査やPEPとは別の対応です。検査の予定を待たずに相談してください。

HIVの予防内服「PEP」について →

当院での検査と費用

モイストクリニックは恵比寿駅西口から徒歩3分の自由診療クリニックです。行為と症状を確認し、必要な検査項目・部位・費用をご案内します。

検査例 料金(税込・診察料込み)
クラミジアまたは淋菌の単項目・1部位 各4,500円
淋菌・クラミジアの2項目(性器) 6,500円
淋菌・クラミジアの2項目(のど) 6,500円

上記は通常検査の例です。性器とのどの両方を含む料金ではありません。即日検査、追加検査、治療、再検査は別料金となります。相談のみの診察は初診2,500円・再診1,500円です。検査項目や部位は一律に全部選ぶのではなく、接触内容と診察で決めます。

クラミジア・淋菌の通常結果は2日が目安です。検査処理は月〜土曜日で、検体状態等により前後します。即日検査を希望する場合は、対象・受付時刻・費用を確認してください。陽性だった場合は、病気と部位に応じて治療や必要な紹介をご案内します。

尿・ぬぐい液の採取は通常1回ですが、早期陰性や判定状況によって再検査が必要です。採血では痛み・内出血、ぬぐい液採取では一時的な不快感等が起こることがあります。どの検査にも偽陰性・偽陽性の可能性があります。

検査料金の一覧を見る →

よくある疑問

1回だけでも、性病に感染することはありますか?

あります。ただし、1回の行為をした人全員が感染するわけではありません。相手の感染・治療状況、接触した部位、病変、コンドームの使用などで変わり、行為名だけで自分の感染確率を計算することはできません。

のどに痛みがなければ、検査しなくてよいですか?

症状の有無だけでは判断できません。口を使った接触がある場合や、相手の感染が分かった場合などは、咽頭検査を検討します。全員が全部位の検査を受けるという意味ではなく、実際に触れた部位を確認します。

相手が陽性だったら、まず何をすればよいですか?

症状がなくても早めに受診し、相手の病名・検査部位と最後に接触した日を伝えてください。必要な検査や治療を判断します。診察で方針が決まるまでは性行為を控え、陽性の場合の再開時期は病気ごとの案内に従います。[4][5]

行為のあとに、うがい・洗浄をすれば防げますか?

うがいや洗浄だけで、成立した感染を防げるとはいえません。強くこすったり、粘膜を消毒したりして傷つけないでください。感染機会が心配な場合は、接触部位と日付に応じた対応を確認します。[8]

検査項目に迷ったら、接触内容から相談を

行為の日付、接触した部位、症状の有無を分かる範囲でお伝えください。診察で必要な検査と時期を一緒に確認します。

医師紹介

モイストクリニック 院長
金谷 正樹

医学監修:金谷正樹 医師
医学確認日:2026年9月23日