
性感染症の検査を受ける際、「症状があるから、とりあえず淋菌だけ調べよう」「クラミジアと淋菌、片方だけの検査では不十分?」といった疑問をお持ちになったことはありませんか?
結論から言うと、性感染症の診療において、淋菌とクラミジアは「セットで同時に検査する」ことが世界の標準的な考え方です。なぜなら、この2つの感染症は感染部位や症状が非常によく似ているだけでなく、同時に感染(重複感染)しているケースも決して珍しくないからです。
このページでは、なぜ淋菌とクラミジアの同時検査が強く推奨されるのか、その医学的な5つの理由と、同時検査の具体的なメリット、費用について専門的に解説します。
目次
- 1. 淋菌とクラミジアの同時検査を推奨する5つの医学的理由
- 2.【メリット】同時検査で得られる安心と効率性
- 3. こんな方には同時検査を強くおすすめします
- 4. 当院の淋菌・クラミジア同時検査メニューと料金
- 5. 検査方法と結果が出たら
- 6. よくある質問
- 参考文献
1. 淋菌とクラミジアの同時検査を推奨する5つの医学的理由
理由1:症状が酷似しており、区別が困難
男性の「排尿時痛」「尿道からの膿」、女性の「おりものの異常」「不正出血」といった症状は、淋菌とクラミジアのどちらでも起こり得ます。症状だけでどちらの菌が原因かを見分けることは、医師であっても不可能です。原因を正確に特定し、適切な治療につなげるために、両方の菌を網羅的に調べることが不可欠です。
理由2:同時に感染している(重複感染)可能性が低くない
臨床現場では、淋菌とクラミジアの両方に同時に感染している「重複感染(co-infection)」の事例が一定の割合で確認されています。片方の検査だけでは、もう一方の感染を見逃してしまい、治療が不完全になるリスクがあります。実際に米CDCのガイドラインでは、淋菌陽性と診断された場合、クラミジア感染も考慮した治療が推奨されるほどです。
理由3:のどや直腸など、無症状の部位を見逃さないため
オーラルセックスやアナルセックスによって、淋菌とクラミジアはのど(咽頭)や直腸にも感染します。これらの部位は感染しても9割以上が無症状とも言われ、自覚がないまま他者への感染源となってしまうケースが後を絶ちません。心当たりのある行為がある場合、症状がなくても「性器とのど」「性器と直腸」のように、接触した部位をセットで検査することが、感染の連鎖を断ち切る上で極めて重要です。
理由4:国際的なガイドラインで同時検査が推奨されている
米疾病対策センター(CDC)などの国際的な保健機関は、性的に活動的な若年女性や、リスクのある男性(MSMなど)に対して、症状の有無にかかわらず定期的な淋菌・クラミジアのスクリーニング検査を推奨しています。これは、これら2つの感染症が蔓延しやすく、かつ無症状で進行することが多いためです。
理由5:一度の検査で、治療やパートナーへの対応が確実になる
最初に淋菌だけ検査して陽性だった場合、後から「クラミジアも大丈夫だろうか?」という不安が残ります。最初から同時に検査しておけば、一度の結果報告で全体像が把握でき、必要な治療計画を一度で立てられます。また、パートナーへ説明する際も、「淋菌とクラミジアを調べて、両方とも陰性だった(陽性だった)」と正確に伝えられるため、パートナーの検査や治療もスムーズに進みます。
2.【メリット】同時検査で得られる安心と効率性
医学的な理由に加え、同時検査には患者様にとって具体的なメリットがあります。
- ✅ 費用がお得になる:当院では、各項目を単体で検査するよりも、セットメニューの方が割安な料金設定になっています。
- ✅ 時間と手間が省ける:一度の来院、一度の検体採取で済みます。何度もクリニックに足を運ぶ必要がありません。
- ✅ 確実な安心が得られる:「もう片方は大丈夫だろうか」という見えない不安を解消し、精神的な安心につながります。
3. こんな方には同時検査を強くおすすめします
- 排尿時の痛みや、性器からの分泌物(膿など)がある方
- おりものの量・色・匂いの変化や、不正出血がある方
- のどの痛みや違和感が続く、またはオーラルセックスの習慣がある方
- パートナーが淋菌またはクラミジアに感染した方
- 無症状でも、新しいパートナーができた、または複数のパートナーがいる方
4. 当院の淋菌・クラミジア同時検査メニューと料金
当院では、初診料・再診料を含んだ総額表示で、安心して検査を受けていただけます。
検査メニュー | 料金(税込) | 備考 |
---|---|---|
淋菌・クラミジア セット(性器) | 6,500円 | 尿または腟分泌物で検査 |
淋菌・クラミジア セット(咽頭) | 6,500円 | うがい液で検査 |
喉の違和感セット(ベーシック) | 14,800円 | 咽頭の淋菌・クラミジアを含む4項目セット |
単体検査(淋菌またはクラミジア) | 各4,500円 | 1部位ごとの料金 |
※その他のセットメニューもございます。詳しくは料金表をご確認ください。
5. 検査方法と結果が出たら
- 検査方法:精度の高いPCR検査(NAAT)で行います。検体は尿・うがい液・ご自身で採取いただく腟分泌物など、身体的負担の少ない方法です。
- 陽性だった場合:医師が結果を丁寧に説明し、最適な治療法をご提案します。淋菌はセフトリアキソンの点滴、クラミジアは抗菌薬の内服が基本です。同時に陽性だった場合は、両方の治療を並行して行います。
- パートナーへの対応:過去60日以内に性的接触のあったパートナー様にも検査・治療を受けていただくことが、ピンポン感染(再感染)を防ぐために不可欠です。
- 再検査:治療の効果を確認し、再感染がないかチェックするため、3ヶ月後の再検査を推奨しています。
6. よくある質問
Q. どの部位を同時検査すればいいですか?
A. まずは性器の検査が基本です。それに加えて、オーラルセックスの経験があれば咽頭(のど)、アナルセックスの経験があれば直腸の検査を追加することをおすすめします。診察時に医師が最適な組み合わせをご提案します。
Q. 同時検査のほうが、治療も早く始められますか?
A. はい。一度に結果が判明するため、診断が確定し、治療方針の決定がスムーズになります。これにより、より早く的確な治療を開始でき、パートナーへの説明も迅速に行えます。
Q. 症状がないのですが、それでも同時検査を受ける価値はありますか?
A. 大いに価値があります。特にのどや直腸の感染は無症状であることが大半です。気づかないうちに感染を広げたり、長期化して合併症を引き起こしたりするリスクを防ぐため、心当たりがあれば症状がなくても検査を受けることが重要です。
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🔖 監修者情報

監修:モイストクリニック院長 金谷 正樹
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っている。日本性感染症学会の会員として活動しており、得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かして、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療を目指している。
🖊️ この記事の執筆者

監修:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Gonococcal Infections – STI Treatment Guidelines.
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Urethritis and Cervicitis – STI Treatment Guidelines.
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Screening Recommendations for STIs.
- 東京都感染症情報センター. 淋菌感染症 / 性器クラミジア感染症.