
要点(30秒で理解)
- 梅毒は「ペニシリン」という抗生物質(飲み薬または注射)で完治できる病気です。
 - 治療法は主に「飲み薬(4週間)」と「注射(1回)」の2種類があります。
 - 最近、日本でも「1回で終わる注射(ベンジルペニシリン)」が使えるようになり、飲み忘れの心配がなくなり治療が楽になりました。
 - モイストクリニックでは、どちらの治療法も選択可能です。
 - 梅毒はパートナーも同時に治療しないと再感染(ピンポン感染)するため、2人での治療が必須です。
 
目次
- 梅毒は「ペニシリン」で治る病気です
 - 梅毒の主な治療法:「注射」と「飲み薬」の違い
 - なぜ今「1回で終わる注射」がおすすめなの?
 - 注意が必要な特別なケース
 - 治療中・治療後に気をつけること
 - モイストクリニックの梅毒治療
 - 参考文献
 - よくある質問(FAQ)
 
1. 梅毒は「ペニシリン」で治る病気です
かつては不治の病と恐れられた梅毒ですが、現在は「ペニシリン」という抗生物質(抗菌薬)が非常によく効くことがわかっています。
梅毒の原因は「梅毒トレポネーマ」という細菌です。この細菌をペニシリンで退治することで、梅毒は「完治」できます。
大切なのは、症状がなくても「怪しい」と思ったらすぐに検査し、陽性なら確実に治療薬を使い切ることです。
2. 梅毒の主な治療法:「注射」と「飲み薬」の違い
梅毒の治療(早期梅毒の場合)には、主に「注射」と「飲み薬」の2つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
A. 注射(ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤)
世界標準の治療法で、当院でも推奨しています。
- 特徴:お尻に筋肉注射をします。
 - 治療回数(早期梅毒):1回のみ(後期梅毒の場合は週1回を3週間)
 - メリット:
- 治療が1日で完了するため、飲み忘れの心配が一切ありません。
 - 世界的に最も推奨されている治療法です。
 
 - デメリット:
- 筋肉注射のため、打つ時に少し痛みがあります。
 - ペニシリンに強いアレルギーがある方は使用できません。
 
 
B. 飲み薬(アモキシシリン、ミノサイクリンなど)
従来から日本で行われてきた治療法です。
- 特徴:抗生物質の錠剤を毎日服用します。
 - 治療期間(早期梅毒):4週間(28日間)
 - メリット:
- 注射が苦手な方でも治療できます。
 - ペニシリンアレルギーの方でも、別の薬(ミノサイクリンなど)で治療可能です。
 
 - デメリット:
- 毎日欠かさず薬を飲み続ける必要があり、飲み忘れると治療が失敗するリスクがあります。
 - 治療期間が長くなります。
 
 
なぜ今「1回で終わる注射」がおすすめなの?
以前は、日本では「1回で終わる注射(ベンジルペニシリン)」が認可されておらず、4週間も飲み薬を続ける方法しかありませんでした。
しかし、飲み薬は「つい飲み忘れた」「症状が消えたから飲むのをやめた」という理由で治療に失敗し、再発したり他人にうつし続けたりするケースが問題でした。
2021年に日本でも「1回で終わる注射」が正式に承認されました。これは世界的には数十年前から標準的な治療法として使われており、最近の大規模な臨床研究でも、早期梅毒であれば1回の注射で十分な効果があることが改めて確認されています。
飲み忘れの心配なく、1回の通院で確実に治療を終えられることは梅毒治療における大きな進歩であり、当院でもこの確実な方法を第一選択として推奨しています。
4. 注意が必要な特別なケース
ほとんどの梅毒は上記の治療で治せますが、以下のような場合は治療法が変わります。
- 妊娠中の方:
赤ちゃんへの感染(先天梅毒)を防ぐため、ペニシリンでの治療が必須です。飲み薬(ミノサイクリン等)は胎児への影響があるため使えません。ペニシリンアレルギーがある場合は、入院して特別な処置(脱感作)が必要になることもあります。
→ 「妊娠と梅毒」のページへ - 神経梅毒・眼梅毒の方:
梅毒が脳や目、耳にまで進行した場合、飲み薬や1回の注射では効果が不十分です。この場合は入院して「点滴」治療(ペニシリンを10日〜14日間)を行う必要があります。 - ペニシリンアレルギーの方:
必ず診察時に医師にお伝えください。アレルギーの程度によりますが、飲み薬(ミノサイクリンなど)で治療するか、入院して安全にペニシリンを使えるようにする処置(脱感作)を行うかを判断します。 
5. 治療中・治療後に気をつけること
1. パートナーも必ず検査・治療する
最も重要なことです。自分が治っても、パートナーが感染したままでは、性行為によって再び感染してしまいます(ピンポン感染)。症状がなくても、パートナーも必ず一緒に検査・治療を受けてください。
2. 治療が終わるまで性行為は禁止
医師が「治癒しました」と判断するまで、性行為(オーラル、アナル含む)は絶対に避けてください。コンドームをしても、皮膚が触れ合う部分から感染するリスクがあります。
3. 治療後に熱が出ることがある(好転反応)
治療を開始して数時間〜1日後に、発熱や頭痛、だるさが出ることがあります。これは「Jarisch–Herxheimer(ヤリッシュ・ヘルクスハイマー)反応」と呼ばれる、薬が効いて梅毒の菌が壊れる時に起こる一時的な反応です。通常1〜2日で治まりますが、辛い場合は医師にご相談ください。
4. 治ったかどうかの確認検査(血液検査)を受ける
治療が終わっても、本当に菌がいなくなったかを確認する必要があります。治療後、数ヶ月おきに血液検査(RPR値という数値)を行い、数値がしっかり下がっているか(目安として4分の1以下)を確認します。自己判断で通院をやめず、必ず医師の「治癒」の確認が出るまで通院してください。
6. モイストクリニックの梅毒治療
モイストクリニック恵比寿では、患者様のライフスタイルやご希望に合わせて、最適な治療法をご提案します。
- 選べる治療法:「1回で終わる注射(BPG)」と「4週間の飲み薬」のどちらにも対応しています。
 - 即日検査・即日治療:当日に結果がわかる迅速検査を行い、陽性の場合はその日のうちに治療を開始することができます。
 - プライバシー配慮:ご予約からお会計まで、他の患者様と顔を合わせにくい設計でプライバシーを守ります。
 - 土日祝・夜間も診療:お仕事帰りや休日でもご来院いただけます(9:00–22:00 ※外来14:00–22:00)。
 
不安なこと、聞きたいことがあれば、お気軽にLINEでご相談ください。
7. 参考文献
本ページは、以下の公的機関の情報を基に作成しています。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 梅毒の治療は、注射1回で本当に終わりますか?
A1. はい、感染から時間が経っていない「早期梅毒」であれば、ベンジルペニシリン(BPG)の注射1回で治療は完了です。最近の研究でもその高い効果は確認されています。ただし、治ったことを確認するための血液検査(RPR値のチェック)は、数ヶ月後に受けていただく必要があります。
Q2. 飲み薬と注射、どちらがよく効きますか?
A2. どちらも正しく使えば有効性は高いです。ただし、飲み薬は「毎日4週間飲み続ける」必要があり、飲み忘れで治療が失敗するリスクがあります。その点、注射は1回で確実なため、飲み忘れが心配な方や、早く確実に治したい方には注射(BPG)を強く推奨しています。
Q3. ペニシリンアレルギーでも治せますか?
A3. はい、治せます。ペニシリンアレルギーの程度にもよりますが、「ミノサイクリン」などの別の種類の飲み薬を使って治療します。診察時に必ず医師にアレルギー歴をお伝えください。
Q4. 治療費はいくらですか?
A4. 当院では飲み薬、注射(自費)ともに対応しております。詳しくは料金ページをご覧ください。
→ 料金ページはこちら
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🔖 監修者情報

監修:モイストクリニック院長 金谷 正樹
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っている。日本性感染症学会の会員として活動しており、得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かして、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療を目指している。
🖊️ この記事の執筆者

監修:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。
