亀頭包皮炎とは?——「かゆい=性病」とは限りません【モイストクリニック】

亀頭包皮炎とは?——「かゆい=性病」とは限りません【モイストクリニック】

まず結論:陰茎のかゆみ・赤み・しみるは、必ずしも性病(STI)ではなく「亀頭包皮炎」の可能性も十分あります。この記事を読めば、ご自身の症状の原因や、今すぐできる対処法、病院へ行くべきタイミングが分かり、不要な不安から解放されます。 原因はカンジダや細菌だけでなく、石けんやコンドーム、摩擦といった日常的な刺激も多いため、自己判断で市販薬を塗るより、原因に合った治療が回復への近道です。

この記事でわかること

  • 亀頭包皮炎の症状・原因・セルフケア・治療
  • 「性病との違い」とよくある誤解
  • 激しい性行為や摩擦が悪化要因になる話
  • 受診の目安(いつ病院に行くべきか)

亀頭包皮炎とは

亀頭(陰茎の先端)や包皮に起こる炎症です。未割礼の方に多く、感染性(カンジダ・細菌・一部の性感染症)と非感染性(接触皮膚炎・アレルギー・摩擦・皮膚疾患など)が混在します。

主な症状:かゆみ/赤み/ヒリヒリ感/腫れ/分泌物や臭い/排尿時のしみる感じ など。

よくある誤解(性病との違い)

  • 「かゆい=性病」ではない
    亀頭包皮炎は非感染性でも起こります。一方で淋菌・クラミジア等の性病でも似た症状が出るため、見た目だけの判別は困難です。必要に応じて検査で原因を確認しましょう。
  • 洗いすぎは逆効果
    石けん・ボディソープは刺激となり悪化することがあります。基本はぬるま湯または保湿剤(エモリエント)でやさしく洗うのが基本です。恵比寿という土地柄、美意識の高い方が多く、清潔にしようと念入りに洗うあまり、かえって皮膚のバリア機能を損なってしまうケースが少なくありません。
  • 糖尿病や包茎が関係
    高血糖はカンジダ増殖を助け、再発リスクになります。包茎も清拭困難で炎症を招きやすい背景です。

原因(感染性/非感染性)

  • 感染性:カンジダ(真菌)・細菌・一部の性感染症 など。
  • 非感染性:石けん・香料・コンドーム素材・潤滑剤・摩擦(性行為や自慰)、乾癬・湿疹などの皮膚疾患。

ちなみに:強い摩擦や潤滑不足の“激しい性行為/長時間の自慰”は、皮膚刺激や小外傷のきっかけとなり悪化しやすい要因です。実際に患者様からお話を伺うと、「潤滑剤を使わずに長時間の行為に及んでしまった」「新しいコンドームを試したらヒリヒリした」といったエピソードが原因となっていることも珍しくありません。症状がある間は性行為を控えると回復が早い傾向です。思い当たること…ありませんか?

受診の目安

  • 痛み・腫れが強い/悪臭のある分泌物が出る
  • 包皮が戻らない(嵌頓包茎)
  • 水疱・潰瘍など性感染症を疑う所見がある
  • 繰り返す・長引く/糖尿病がある
  • 性行為後に悪化、パートナーが性感染症陽性 など。

検査と診断

視診・問診に加え、必要に応じてスワブで細菌/真菌検査、尿・血液検査を行います。

治療(原因別)

  • カンジダ性:抗真菌外用(例:イミダゾール系)。生活面の改善と併用。
  • 刺激/アレルギー性:原因除去+必要に応じて弱いステロイド外用。
  • 細菌性/性感染症:抗菌薬。起因菌や性病に合わせて処方。
  • 再発・包茎合併環状切除(包皮手術)を検討。

市販薬に潜むリスク

「まずは市販薬で」と考える方も多いですが、原因の特定なしでの使用は症状を悪化させる危険があります。

  • カンジダ性の場合:カンジダは真菌(カビ)の一種です。これに抗生物質入りの軟膏を使うと、善玉菌まで殺してしまい、かえってカンジダが増殖することがあります。
  • アレルギー性の場合:原因となっている石けんや潤滑剤の使用を中止しない限り、薬を塗っても根本解決にはなりません。

当院では、まず検査で原因を正確に特定してから、一人ひとりに合った最適な薬剤を処方します。

治療期間と費用の目安

当院は自費診療となります。

  • 費用の目安:初診の場合、診察、原因を特定するための検査、お薬代をすべて含め、15,000円程度が目安となります。症状や検査内容によって費用は変動しますので、詳しくはお問い合わせください。
  • 治療期間の目安:原因や症状の程度によりますが、適切な治療を行えば、多くは数日〜2週間程度で改善が見られます。

セルフケア(Do/Don’t)

Do

  • 毎日ぬるま湯またはエモリエントでやさしく洗う → 乾かす
  • 手洗い後に触れる
  • 刺激の少ないコンドームを選ぶ(ラテックス刺激がある場合)

Don’t

  • 石けん・シャワージェルでゴシゴシ
  • 症状がある間の性行為/激しい自慰(摩擦で悪化)

小児は包皮を無理にむかないのが原則です。

まとめ(3ポイント)

  1. 亀頭包皮炎は性病に似るが、原因は感染性・非感染性の双方。見た目での断定は危険。
  2. 石けん・香料・コンドーム素材・摩擦などの刺激で悪化。セルフケアはやさしく洗って乾かすが基本。
  3. 原因別治療(抗真菌薬/抗菌薬/刺激回避/手術)が最短ルート。糖尿病など背景因子の確認も大切。

FAQ(よくあるご質問)

Q. かゆいと性病ですか?
A. 亀頭包皮炎でも同様の症状が出ます。検査での判別が安心です。

Q. 洗えば洗うほど良い?
A. 過度な洗浄や石けんは悪化因子です。ぬるま湯やエモリエントでやさしく洗いましょう。

Q. 性行為はしても大丈夫?
A. 症状がある間は避けるのが推奨。摩擦で悪化します。

Q. 何日で治る?
A. 原因と治療により数日〜1〜2週間ほどが目安です。

Q. パートナーにうつりますか?
A. 原因によります。カンジダは性行為を介してパートナーに感染することもありますが、必ずしも性病という扱いではありません。細菌性の場合も原因菌によっては感染の可能性があります。いずれにせよ、症状がある間の性行為は避け、まずは正確な診断を受けることが大切です。

Q. 子どもはどう洗う?
A. ぬるま湯でやさしく洗ってください。包皮を無理にむかないようにしましょう。

モイストクリニックでの対応

  • 目視+必要な検査(スワブ・尿)で原因を見極め
  • 当日から使える外用・内服で早期改善をサポート
  • 再発予防のセルフケア指導、包茎合併は泌尿器科連携で対応

「かゆい=性病?」と不安なときは、自己判断で市販薬を塗る前にご相談ください。

モイストクリニック(恵比寿)のご案内

モイストクリニックは、東京都渋谷区恵比寿にある【性感染症・男性科・婦人科】の専門クリニックです。
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モイストクリニックは、あなたの健康と安心のために、丁寧にサポートいたします。

🔖 監修者情報

モイストクリニック金谷院長

監修:モイストクリニック院長 金谷 正樹
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っている。日本性感染症学会の会員として活動しており、得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かして、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療を目指している。

院長からのメッセージ
陰部の悩みはデリケートで相談しにくいものですが、多くの場合は適切な治療ですぐに改善します。「性病かも」と一人で悩まず、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

🖊️ この記事の執筆者

モイストクリニック宮田先生

執筆:泌尿器科医 宮田(モイストクリニック)
国立信州大学医学部医学科を卒業後、川崎市立井田病院にて初期研修を修了。都内大学病院の泌尿器科に入局し、性感染症分野で専門性を深める。
日本性感染症学会、日本感染症学会、日本性機能学会などに所属し、現在は薬剤耐性淋菌に対する新規抗生剤の研究に携わりながら、性感染症および泌尿器科疾患の診療にあたっている。

参考(権威ソース)

  • NHS: Balanitis
  • Cleveland Clinic: Balanitis
  • MSDマニュアル(日本語): 陰茎の炎症/亀頭包皮炎
  • Medscape: Balanoposthitis Workup
  • DermNet: Balanitis