まずは結論:予防は「検査 × コンドーム × ワクチン / 必要なら予防薬」
性感染症の予防は、何か1つをやれば完璧…ではなく、いくつかの方法を組み合わせて「リスクを下げる」のが現実的です。
- ✅ 定期検査:症状が出ない感染もあるため、予防の土台
- ✅ コンドーム:リスクを下げる基本
- ✅ HPVワクチン:将来のリスクを下げる「一次予防」
- ✅ 予防薬(PrEP/PEP/Doxy-PEP):状況によって検討(医師と相談)
「絶対うつらない方法」を探して不安になっていませんか?現実には、性感染症の予防は “ゼロ”ではなく“確率を下げる”考え方が大切です。
恵比寿のモイストクリニックでは、状況の整理から必要な検査、最新の予防薬まで、あなたに最適なプランを一緒に考えます。
性感染症は「ゼロ」にできない。でも“下げる”ことはできる
「絶対うつらない方法」を探してネットを検索し続け、疲れてしまう方がたくさんいらっしゃいます。しかし現実には、性感染症のリスクを完全にゼロにすることは困難です。
大切なのは“ゼロリスク”を求めて立ち止まることではなく、“確率を下げる”ための賢い選択肢を知っておくことです。
💡 不安がある時、いちばんムダのない「安心への3ステップ」
- 状況整理:いつ、どんな行為があり、今どんな症状があるか?
- 適切な検査:時期や部位に合わせた「意味のある検査」を受ける
- 必要な予防・治療:結果に基づき、薬やワクチンでリスクを最小化する
この順番で進めることが、精神的にも身体的にも、いちばん安心につながります。自己判断で悩み続けるよりも、まずは専門家に今の状況を話してみることから始めてみませんか?
予防の方法は大きく5つ
1)コンドーム(ゴム):基本だけど万能ではない
コンドームは多くの性感染症リスクを下げる最も重要な手段です。しかし、梅毒や尖圭コンジローマなどのように「皮膚接触」で感染するものは、完全に防ぎきれないことがあります。
「ゴムをしていたのに不安」「相手が陽性だった」など、状況によって必要な検査は変わります。迷ったらすぐにご相談ください。
2)定期検査:予防のいちばん現実的な土台
性感染症は「無症状」が多いため、自覚症状がない=大丈夫とは限りません。定期的な検査で自分の状態を把握すること自体が、パートナーへの感染を防ぐ最大の予防策です。
- パートナーが変わったタイミング
- 不安な行為があった(心当たりがある)
- 症状はないが、念のため安心したい
3)HPVワクチン:将来のがん・イボのリスクを断つ
将来の子宮頸がんや、尖圭コンジローマ(イボ)のリスクを下げるワクチンです。当院では男性の接種も積極的に受け付けています。
| 9価(シルガード9) | 29,800円/回(推奨:より多くの型をカバー) |
|---|---|
| 4価(ガーダシル) | 18,000円/回 |
※診察料込み。15歳以上は通常3回接種が必要です。
HPVワクチン・検査の詳細はこちら4)予防薬:PrEP/PEP/Doxy-PEP
医学の進歩により、「薬で防ぐ」選択肢が増えています。これらは医師の診断と適切なフォローアップが必要です。
- HIV PEP(緊急):曝露後72時間以内の服用でHIV感染を防ぐ。
- HIV PrEP(事前):あらかじめ服用し、HIV感染を高い確率で防ぐ。
- Doxy-PEP(事後):梅毒・クラミジア等の細菌性STIリスクを下げる。
5)パートナー対策:「うつさない」ための予防
性感染症は「ピンポン感染(うつし合い)」が一番のリスクです。お二人同時に検査・治療を行うことで、再感染のループを断ち切ることができます。
「責めたいわけじゃなくて、二人で安心したいから一緒に検査しない?」
そんな伝え方も含め、当院がサポートいたします。
性行為後に不安なとき:今やるべきこと(迷ったらこれ)
「今の行為、大丈夫だったかな…」と不安になった時は、
まず以下のステップで状況を整理してください。最短で安心に辿り着くためのガイドです。
症状があるか確認
痛み、膿、発熱、デキモノ、喉の違和感などはありませんか?
いつの出来事か確認(時期)
検査には「ウインドウピリオド(潜伏期間)」があります。早すぎると正しく結果が出ないため、最適な日を計算します。
心当たりのある部位を特定
性器だけでなく、喉(オーラル)や肛門など、心当たりのある箇所すべてが検査対象です。
最適な検査・予防プランを立てる
「今すぐできること」と「少し待ってからすべきこと」を医師と一緒に整理しましょう。
料金(予防・ワクチン)
※表示価格はすべて税込です。予防に関するメニューは自由診療となります。
予防内服(PEP・PrEP・Doxy-PEP)
行為後72時間以内。初回および1ヶ月後の採血検査代+お薬代をすべて含みます。
30錠(約1ヶ月分)。日常的にHIV感染リスクを下げるための国内処方薬です。
7,000円 / 5回セット
梅毒・クラミジア・淋菌の予防。行為後72時間以内の服用を推奨します。
HPVワクチン
最も多くのHPV型(9種)をカバー。尖圭コンジローマから各種がん予防まで。診察料込。
主要な4つのHPV型に対応。コンジローマ予防の基本機能を備えています。診察料込。
よくある質問(FAQ)
Q. コンドームをしていれば性病は完全に防げますか?
A. 多くの感染リスクを大幅に下げられますが、100%ではありません。例えば梅毒や尖圭コンジローマなどは、コンドームで覆い切れない部位の皮膚接触でも感染する可能性があるため、検査やワクチンとの組み合わせがより効果的です。
Q. 性行為後、いつ検査を受ければいいですか?
A. 検査の種類によって「正しく結果が出る時期(ウインドウピリオド)」が異なります。早すぎると感染を見逃す可能性があるため、行為からの経過日数をお伝えいただければ、最適な検査タイミングをご提案します。
Q. HIV PEP(緊急予防)はどれくらい急ぐべきですか?
A. できるだけ早く、遅くとも72時間以内の服用開始が推奨されています。時間が経過するほど予防効果が低下するため、迷っている場合もまずはすぐにお電話かLINEでご相談ください。
Q. Doxy-PEP(事後予防)は誰でも処方してもらえますか?
A. 耐性菌のリスクなどを考慮し、CDCの指針に基づいた一定の条件(過去12ヶ月以内に細菌性STIの既往がある方など)に該当し、医師が必要と判断した場合に処方いたします。まずは診察にてリスク状況を共有させていただきます。
Q. HPVワクチンは男性も打つ意味がありますか?
A. はい、非常に大きな意味があります。自身の尖圭コンジローマや肛門がん、中咽頭がんの予防になるだけでなく、パートナーへウイルスをうつさない(子宮頸がんのリスクを下げさせる)という思いやりとしての側面も注目されています。
Q. 貴院のHPV検査は子宮頸がん検診と同じですか?
A. いいえ、異なります。当院の検査は主に尖圭コンジローマ(イボ)の原因となるローリスク型HPVを対象としています。子宮頸がんのリスク(ハイリスク型)が気になる方は、内診設備のある婦人科での定期検診をおすすめしています。
迷ったら、まず相談でOKです
予防に「唯一の正解」はありません。あなたのライフスタイルや今の不安に合わせ、
最も納得できる選択肢を一緒に整理していきましょう。
監修・執筆医師情報
金谷 正樹 Masaki Kanaya
モイストクリニック 院長
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックにて性感染症を中心に診療を行う。日本性感染症学会の会員。得意分野である細菌学と免疫学の知識を活かし、患者さまご本人とパートナーさまが幸せになれるような医療の実践を目指している。
参考文献・ガイドライン
- 日本性感染症学会:性感染症 診断・治療ガイドライン 2023
- 厚生労働省:性感染症報告数(2024年最新データ)
- CDC(アメリカ疾病予防管理センター):STI Treatment Guidelines 2021 / Doxy-PEP Guidelines
- WHO(世界保健機関):Sexually transmitted infections (STIs) Fact sheets
