陰部の白い塊・できものは性病?フォアダイスとコンジローマの見分け方

監修:金谷正樹 医師|医学確認日:2026年9月26日

陰部の白いブツブツには、治療がいらないフォアダイスのほか、尖圭コンジローマ、毛嚢炎、粉瘤などがあります。白い・痛くないという特徴だけでは、性病かどうかは分かりません。できた場所や表面の様子、これまでの変化を診察で確認します。

「前からあった気がする」「白い脂肪の塊のように見える」「パートナーに指摘された」。同じ白いできものでも、皮膚そのものの盛り上がりと、皮膚の下のしこり、表面についた白いものでは、考える原因が変わります。

この記事では、フォアダイスとコンジローマの違いを中心に、男性・女性で考えられる原因、受診先、診察や治療の流れを説明します。

陰部の皮膚の変化について、メモを見ながら医師に相談する人

フォアダイスとコンジローマは、どう見分けますか?

フォアダイスは皮脂腺が見えている正常な状態、尖圭コンジローマはHPV感染でできるイボです。亀頭のふちに並ぶ「真珠様陰茎小丘疹」も正常な構造ですが、フォアダイスとは別のものです。[1][2][3]

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フォアダイス尖圭コンジローマ

形を説明する模式図。左はなめらかな黄白色の小さな粒、右は表面に凹凸のあるイボの一例

なめらかな
黄白色の小さな粒

凹凸のある
イボの一例

イメージ画像。大きさ・色・数には個人差があります。コンジローマには小さな粒や平らなものもあり、この図との一致だけでは診断できません。[1][3]

まずは、よく比較される3つを整理します。この表は典型的な特徴の説明で、当てはまる項目の数から病名を決めるものではありません。

表は左右にスクロールできます

比べる項目 フォアダイス 真珠様陰茎小丘疹 尖圭コンジローマ
正体 毛穴とは独立して存在する皮脂腺 亀頭のふちに見られる正常な小さな突起 HPV感染によるイボ
見た目の例 白〜黄色の小さな粒 肌色〜白っぽい粒が、ふちに沿って並ぶ 肌色・白色・ピンク・褐色など。凹凸のあるイボや、平らに近い盛り上がり
表面の様子 なめらかな小さな盛り上がり なめらかなドーム状などの突起 ざらつきや尖った凹凸が典型だが、平らな病変もある
主な場所 陰茎の皮膚、外陰部など。唇にも見られる 亀頭のふち(カリ首) 陰茎・外陰部・会陰・肛門周囲など
痛み・かゆみ 通常はない 通常はない ないことも多い。かゆみ・痛み・出血を伴う場合もある
感染するか しない しない 性的な接触などでうつることがある
治療 診断がつけば通常は不要 診断がつけば通常は不要 病変の部位・範囲などに応じて相談

フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹は、それ自体が性病というわけではありません。一方、コンジローマも痛みがないことが多いため、「痛くないから正常」とは判断できません。[1][2][3][4]

フォアダイスは、脂肪の塊やニキビですか?

「脂肪の塊」と表現されることがありますが、正確には皮脂をつくる腺が目立って見えている状態です。毛穴に膿がたまる毛嚢炎や、皮膚の下に袋ができる粉瘤とは異なります。[1][5][6]

小さな黄白色の粒として複数見られ、皮膚が伸びると分かりやすくなることがあります。思春期以降に目立ちやすく、「汚れがたまった」「性行為でうつされた」というものではありません。[1]

亀頭のふちに並ぶ粒も、フォアダイスですか?

亀頭のふちに沿って小さな突起が1〜数列に並ぶ場合、真珠様陰茎小丘疹という正常な構造が考えられます。フォアダイスとは成り立ちが異なり、まとめて「脂肪の塊」とは説明できません。[2]

診察で真珠様陰茎小丘疹と分かれば、感染を防ぐために取る必要はありません。ただし、以前からある粒とは別に新しいイボができた場合や、形・数が変わってきた場合は、その変化した部分も確認します。

コンジローマは、必ずカリフラワーの形ですか?

必ずしもそうではありません。先が尖ったイボや、集まってカリフラワーのように見えるものが典型例ですが、小さな粒や平らに近い病変もあります。白色だけでなく、肌色やピンク色、褐色に見える場合もあります。[3][4]

数が増える・大きくなることは受診の手がかりになりますが、変化が乏しいものや自然に小さくなるものもあります。「増えないからコンジローマではない」とは言い切れません。ネットの写真と一致しなくても、気になる変化があれば診察で確認しましょう。[3]

女性の陰部の白いできものも、フォアダイスですか?

女性にも、小陰唇などの外陰部にフォアダイスが見られます。ただし、外陰部の白いできものをすべてフォアダイスと考えることはできません。[1]

女性では、できものが「外側の皮膚にあるのか」「小陰唇の内側や腟の入口にあるのか」「皮膚の下が腫れているのか」も診察の手がかりになります。場所だけで病名が決まるわけではありません。

  • 小陰唇などの小さな白〜黄色の粒:フォアダイスのほか、イボなどとの区別が必要です。
  • 腟の入口にある細かい突起:腟前庭乳頭症という正常な構造もあります。コンジローマと似ることがあるため、形だけで自己判断しないことが大切です。[7]
  • 毛の生える外側の皮膚のブツブツやしこり:毛嚢炎や粉瘤なども考えます。[5][6]
  • 腟の入口の片側にある腫れ・しこり:バルトリン腺の嚢胞や膿瘍など、婦人科で確認する原因があります。[8]

腟前庭乳頭症は、周囲の粘膜に近いピンク色の細かい突起として見られます。「女性にも正常な突起がある」と知っておくことは、不要な除去治療を避けるうえでも役立ちます。[7][13]

腟の中や子宮頸部のできものは、ご自身では確認しにくい場所です。腟内の違和感、不正出血、おりものの変化がある場合は婦人科へ相談してください。当院でコンジローマが疑われ、腟内など内部の病変への対応が必要な場合は、対応可能な医療機関へ紹介します。

白い塊・膿・カスのように見える場合は?

「白い塊」という見え方だけでは、皮膚のできものなのか、膿やおりものなどの付着物なのか分かりません。無理にはがしたり、押し出したりせず、周囲の赤み・痛み・かゆみなども一緒に伝えてください。

表は左右にスクロールできます

考えられる原因 見え方や症状の例 確認したいこと
毛嚢炎 毛穴の周囲が赤くなり、中央に白い膿が見えることがある 毛の生える場所か、剃毛後か、痛みや広がりがあるか
粉瘤 皮膚の下の丸いしこり。小さな開口部が見えることもある 大きさの変化、赤み・腫れ・痛み、内容物が出たか
水いぼ(伝染性軟属腫) 光沢のある小さな粒。中央がくぼむことがある 増えているか、周囲にもあるか。成人の陰部では性的接触でうつることもある
カンジダなどによる炎症 白い塊状のおりものや付着物に、かゆみ・赤みなどを伴うことがある 固定したイボなのか付着物なのか、おりものや症状の変化
恥垢(ちこう) 包皮の内側や外陰部のひだに、皮脂や剥がれた皮膚などがたまったもの 恥垢自体は性病ではないが、赤みや痛みが続く場合は炎症の有無も確認

ここに挙げたものも、表だけで診断はできません。原因によって検査や治療が異なり、性病以外のできものでも、炎症があれば治療が必要になる場合があります。[5][6][9][10][14]

男性の亀頭や包皮の内側に白いカスが付く場合も、恥垢のほか、カンジダなどによる亀頭包皮炎を考えます。赤みやかゆみ、ヒリヒリ感がある場合は、単なる汚れとして強く洗わず、診察で確認しましょう。[15]

白いものが取れたら、治ったと考えてよいですか?

取れたことだけでは判断できません。粉瘤は中の内容物が出ても袋が残り、また膨らむことがあります。白いおりものが付いていた場合も、その下の赤みやかゆみが続けば原因の確認が必要です。[6][10]

診察では「自然に取れた」「触ったら出た」「洗ったときに落ちた」など、起きたことをそのまま伝えてください。原因を確かめるために、繰り返し押したり、こすって落とそうとしたりする必要はありません。

水ぶくれや、ただれがある場合は?

性器ヘルペスでは水ぶくれやただれが出ることがあり、梅毒では痛みの少ないしこり・潰瘍ができることがあります。どちらも典型的な見た目とは限りません。白い部分だけを見るのではなく、周囲の傷や痛み、他の部位の症状も確認します。[11][12]

水ぶくれが破れた場合や、皮膚がむけたような傷がある場合は、フォアダイスの説明だけで判断せず受診してください。

性器ヘルペスの初期症状・できる場所を詳しく見る

どんなときに受診しますか?何科に行けばよいですか?

初めて気づいたできものの正体が分からないときや、数・大きさ・色に変化があるときは診察を受けてください。皮膚科・性感染症を診る医療機関、男性器なら泌尿器科、女性器なら婦人科が相談先になります。

次のような変化がある場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに受診しましょう。[3][4]

  • 新しいイボやしこりができた、数が増えた、急に大きくなった
  • 出血、ただれ、治りにくい傷がある
  • 硬いしこり、周囲に固定されたような病変、色の濃い部分がある
  • 痛み・かゆみ・膿が続く、パートナーにコンジローマなどの診断がある
強い痛み・発熱・急に広がる腫れがある場合

その日のうちに医療機関へ連絡してください。とくに、腟の入口の片側が急に腫れて強く痛む場合は、膿がたまる病気などを婦人科で確認する必要があります。尿が出なくなった場合は、待たずに救急受診してください。[8][16]

前にフォアダイスと診断された方でも、今回は別の病変ができている可能性があります。「いつもの粒とは違う」と感じる部分があれば、その場所を医師に伝えてください。

診察では何を確認しますか?検査は必要ですか?

医師が患部を直接見て、場所・形・表面・硬さや経過を確認する診察が基本です。見た目だけでは判断が難しい場合は、必要な検査や紹介を検討します。[1][2][3]
01いつから

気づいた時期
以前からあったか

02どこに

陰茎・外陰部・肛門周囲
皮膚か、内側か

03どんな変化

数・大きさ・色の変化
痛み・かゆみ・出血

使った市販薬や塗り薬、自己処置をしたかどうか、性行為の時期、パートナーの症状も診察の参考になります。分からないことは、無理に推測して答える必要はありません。

血液検査やHPV検査だけで見分けられますか?

白いできものの正体を、血液検査だけで一律に判定することはできません。尖圭コンジローマは主に視診で診断し、HPV検査はイボの診断目的では推奨されていません。梅毒など別の感染症が疑われる場合には、その病気を調べる検査を追加します。[3][12]

また、出血や潰瘍を伴う、診断がはっきりしない、治療しても改善しないといった場合は、組織の一部を調べる検査が必要になることがあります。当院では組織・病理検査を実施していないため、必要な場合は対応可能な医療機関へ紹介します。

酢などを塗って白くなるか調べる自己検査は行わないでください。皮膚を刺激するうえ、色の変化だけでは病名を決められません。

治療は必要ですか?当院ではどう対応しますか?

フォアダイス・真珠様陰茎小丘疹と分かった場合

病気ではないため、通常は治療を必要としません。性病の薬を塗ったり、感染を防ぐ目的で除去したりする必要もありません。[1][2]

見た目が気になる場合に美容的な除去を検討することはありますが、傷痕などのリスクがあります。まず何のできものかを確認したうえで、除去が必要かどうかを判断します。当院では焼灼・切除・凍結・レーザーによる処置は行っていません。

尖圭コンジローマと診断された場合

一般的には、外用薬、液体窒素による凍結、切除・焼灼などの方法があり、病変の部位や大きさ、数、治療歴などによって選びます。外用薬でも赤み、痛み、ただれなどが生じることがあります。[3][4]

治療は目に見えるイボを減らすことが目的で、治療すればHPVが完全に排除されると保証するものではありません。イボが消えた後も再発する場合があります。自然に小さくなる例もありますが、ご自身だけで放置を決めず、治療や経過観察の方針を医師と相談します。[3]

当院では患部を診察し、外用薬による治療を含めて個別に提案します。一般的な外用治療で改善しにくかった場合も相談できます。内部の病変、大きい・多発する病変、外科的な処置が必要な場合、妊娠中などは、対応可能な医療機関へ紹介します。

相談・視診のみは初診2,500円、再診1,500円です。治療・検査を行う場合の診察料は0円、コンジローマの外用薬は1処方7,980円です(いずれも税込・自由診療)。診察後、必要な内容と費用をご案内します。

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受診まで、自分で取ったり薬を塗ったりしてよいですか?

つぶす・切る・針を刺す・市販のイボ取り薬で削ることは避けてください。陰部の皮膚を傷つけたり、炎症や感染を広げたりするおそれがあります。[1][4][9]

診断がつくまでは、病変の上から剃毛することも控えましょう。洗うときは強くこすらず、痛みや刺激が出る製品の使用は中止します。清潔にすることと、白い粒を無理に落とすことは別です。

以前処方された薬や、パートナーのコンジローマ用の薬を流用しないでください。場所によって使える薬が異なり、同じように見えても原因が違うことがあります。

白いできものについて、よくある質問

性行為をしていなくてもできますか?

はい。フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹は性行為とは関係なく見られます。毛嚢炎や粉瘤も、性行為をしていなくても生じます。一方で、性行為の有無だけで今あるできものを診断することはできません。[1][2][5][6]

パートナーにうつりますか?性行為はできますか?

フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹と診断されたものはうつりません。原因が分からない新しいできものや、イボ・水ぶくれ・ただれがある場合は、診察を受けるまで患部が接触する性行為を控えてください。[1][2][4]

コンジローマでは、コンドームで覆われない皮膚からも感染する可能性があります。治療中や治療後の性行為の再開については、診察で患部の状態を確認しながら医師と相談してください。[3][4]

コンジローマなら、最近の相手からうつったということですか?

そうとは限りません。HPVに感染してから時間がたってイボに気づくこともあるため、症状が出た日だけで感染時期や相手を特定することはできません。性行為の直後に気づいた場合も、その行為でできたと断定できません。[3][4]

コンジローマはがんになりますか?

尖圭コンジローマの主な原因となるHPVと、子宮頸がんなどに関係する高リスク型HPVは異なります。「イボがある=がん」という意味ではありません。ただし、高リスク型に同時に感染している場合や、別の病変が似て見える場合もあります。治りにくい傷や出血などは診察で確認し、子宮頸がん検診はイボの有無にかかわらず対象に応じて受けてください。[3][13]

写真だけでフォアダイスと分かりますか?

写真では、実際の大きさや硬さ、色、周囲との関係を十分に確認できません。他の人の写真と似ていることも、同じ病気である証明にはなりません。当院では対面の視診を基本に、必要な検査や紹介を判断します。

監修医師

モイストクリニック院長 金谷正樹医師

モイストクリニック院長 金谷 正樹 医師

国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療を行っています。日本性感染症学会の会員として活動しています。細菌学と免疫学の知識を活かし、患者さんご本人とパートナーを含めた診療を大切にしています。

参考資料

  1. DermNet:Fordyce spots
  2. DermNet:Pearly penile papules
  3. CDC:Anogenital Warts — STI Treatment Guidelines
  4. NHS:Genital warts
  5. DermNet:Folliculitis
  6. DermNet:Epidermoid cyst
  7. Morgaonkarら:Dermoscopy: Solving the diagnostic puzzle in vulvar vestibular papillomatosis(2025)
  8. NHS:Bartholin’s cyst
  9. DermNet:Molluscum contagiosum
  10. DermNet:Vulvovaginal candidiasis
  11. CDC:Genital Herpes — STI Treatment Guidelines
  12. CDC:About Syphilis
  13. DermNet:Anogenital warts
  14. Cleveland Clinic:Smegma
  15. NHS:Thrush in men and women
  16. NIDDK:Symptoms & Causes of Urinary Retention