監修:金谷正樹 医師|医学確認日:2026年9月18日
治療中に性行為をしてしまった場合は、その後の性行為を控え、治療を受けている医療機関に連絡してください。相手にうつすことや、治療していない相手から再び感染する可能性があります。自己判断で薬を追加したり、パートナーと分けたりせず、再検査や追加治療が必要かを医療機関に確認してください。[1][2]
パートナーの陽性が分かった方も、症状がなくても早めに受診してください。クラミジアは無症状のことがあり、片方だけが治療しても、感染している相手との接触で再感染することがあります。二人が同じ日に同じクリニックへ行くことよりも、それぞれが必要な検査・治療を受け、再開できる時期まで性行為を控えることが大切です。[1][3]
突然の激しい精巣の痛み、強い下腹部痛や大量の出血、失神しそうな状態がある場合は、通常の検査予約を待たず救急医療機関を受診してください。[4][5]
治療中に性行為してしまったら、薬を飲み直しますか?
性行為をしたという理由だけで、自分の判断で飲み直すことはしません。 薬は処方時の指示に従って服用し、接触があったことを医療機関に伝えてください。再び感染したかどうかは、性行為をしたという事実や症状だけでは決められません。相手の治療状況や自分の服薬状況も含めて判断します。[1][2]
連絡するときは、次の情報を整理しておくと、再検査や治療の相談が進めやすくなります。
| 医療機関に伝えること | 具体例 |
|---|---|
| 飲んでいる薬と服薬日 | 薬の名前、飲み始めた日・最後に飲んだ日、飲み忘れや服用後の嘔吐 |
| 性行為をした日と内容 | 治療開始後の何日目か、コンドームの使用、口や肛門を含む接触 |
| パートナーの状況 | 検査結果、薬を飲み始めた日・飲み終えた日、まだ受診していないか |
| 現在の症状 | 排尿時の痛み、おりものの変化、下腹部痛など |
症状がない、コンドームを使った、薬をすでに飲んだという情報だけで「もう感染しない」とは判断できません。一方、接触したから必ず再感染したとも限りません。再検査の時期や、性行為を再開できる時期を確認しましょう。[1][2]
パートナーが陽性なら、症状がなくても受診が必要ですか?
はい。症状がなくても、パートナーが陽性だったことを伝えて受診してください。 自覚症状の有無と、クラミジアに感染しているかどうかは別です。放置された感染は、骨盤内炎症性疾患や精巣上体炎などにつながることがあります。[2][3]
診察では、最後に接触した日、接触した部位、症状、妊娠の可能性などを確認します。結果が出る前に治療を始めるか、検査結果を待つかは、接触の状況や診察結果を踏まえて医師が判断します。パートナーの薬をもらって飲むのではなく、一人ずつ診察を受けてください。[1][2]
一緒に来院できなくても、受診を先延ばしにする必要はありません。別の日や別の医療機関で受診する場合も、それぞれの検査・治療の状況を共有し、片方だけの判断で性行為を再開しないようにします。
妊娠中・妊娠の可能性がある場合は、予約や診察時に必ず伝えてください。薬の選び方と治療後の確認が変わります。下腹部痛や発熱などがあれば、郵送検査だけで済ませず、対面での診察を受けてください。[1][4]
性行為はいつから再開できますか?
自分とパートナーの双方が治療を終え、症状がある場合は症状も治まっていることが前提です。 自分だけが薬を飲み終えても、相手が未治療なら再開を待ちます。[1][2]
CDCの案内では、薬の服用方法によって次の目安があります。これは「その日になれば全員治っている」という保証ではありません。[1]
| 治療の受け方 | 性行為を控える期間の目安 |
|---|---|
| 1回の服用で治療する薬 | 服用後7日間が経過するまで |
| 7日間続けて飲む薬 | 指示された7日間の服用をすべて終えるまで |
| パートナーが治療途中・未治療 | 自分の服薬が終わっていても、相手も上記の期間を満たし、症状が治まるまで |
| 症状が残る・飲み忘れがある・治療中に接触した | 日数だけで決めず、診察や再検査の予定を確認する |
当院で陰性確認まで性行為を控えるよう案内された場合は、その指示に従ってください。薬を飲み終える日、症状が治まる日、治ったかを検査で確認する日は、必ずしも同じではありません。
コンドームを使えば、治療中でも大丈夫ですか?
治療中は、コンドームを使っても性行為を控えてください。 膣性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスも含みます。コンドームは感染リスクを下げる方法ですが、治療中に性行為を再開してよいという意味ではありません。[2][3]
「薬を飲んだ直後なら大丈夫」「挿入をしなければオーラルセックスはよい」といった判断は避け、双方の治療状況に合わせて再開時期を確認しましょう。
自分だけ陰性なら、感染していないと言えますか?
パートナーが陽性でも、二人の検査結果が必ず同じになるとは限りません。 一方、陰性という結果を読むときには、いつ・どの部位を調べたかの確認も必要です。[1][6]
接触直後の検査では、まだ検出できず陰性になることがあります。また、尿や膣の検査が陰性でも、それだけでのどや直腸の感染まで否定することはできません。オーラルセックスなどの接触があれば、診察時にその部位も伝えてください。[1][6]
片方だけ陽性という結果から、感染した時期や相手を断定することはできません。クラミジアは症状がないまま経過する場合があり、検査は「いつ、誰から感染したか」を証明するものではないためです。陽性だけを根拠に、最近の浮気があったと決めつけることもできません。[2][7]
陰性だった方に再検査や治療が必要かは、最後の接触日、検査部位、症状などから判断します。二人の結果が違う場合も、検査結果を持って相談してください。

パートナーには、どう伝えればよいですか?
分かっている検査結果と、これから必要な受診を分けて伝えましょう。 感染源を決めつける言い方よりも、相手が検査・治療を受けるために必要な情報を伝えることを優先します。[7][8]
たとえば、次のような伝え方があります。実際の患者さんの発言ではなく、伝える際の例です。
「クラミジアの検査が陽性だった。症状がなくても感染していることがあるので、検査と治療について受診してほしい。治療が終わるまでは性行為を控えたい」
現在のパートナーだけでなく、以前に接触した相手への連絡が必要になる場合もあります。どこまでさかのぼるかは、診断時期や接触歴をもとに医療機関へ相談してください。連絡方法に困る場合も、そのことを伝えて構いません。[1][8]
相手からの暴力や威圧が心配な場合は、二人だけで直接会って伝えることを優先せず、安全な連絡方法を医療機関や支援窓口に相談してください。
初回検査と、治療後の再検査はいつ受けますか?
パートナーの陽性が分かった場合は、検査の目安の日まで待たずに相談してください。 無症状で接触後に検査を受ける一般的な目安として約2週間が挙げられますが、陽性者との接触や症状がある場合の受診を遅らせるための数字ではありません。[1][6]
初回検査では、接触した部位に合わせて尿・膣のぬぐい液・のどなどの検体を調べます。検査の時期や部位については、クラミジアの初回検査で詳しく説明しています。
治療後は、いつ「治った」と確認しますか?
当院では、クラミジアの陰性確認を服薬終了後2〜3週間を目安に案内しています。ただし、早い時期の遺伝子検査は、死んだ菌の遺伝子を検出して陽性になることがあります。CDCでは、治療終了後4週間未満の核酸増幅検査を勧めていません。当院の案内時期と海外の指針には違いがあるため、服用した薬・検査法・接触の有無を伝え、具体的な日程と結果の読み方を確認してください。[1]
治療後の陽性について、「薬が効かなかった」「死んだ菌が残っているだけ」のどちらか一方だと決めつけることはできません。症状が続く場合や治療中に性行為をした場合は、予定日より前でも連絡してください。
また、治療後約3か月の再検査は、再感染していないかを調べるためのものです。今回の感染が治ったかを確認する検査とは目的が違います。[1][2] 妊娠中は治療後の確認が特に重要なため、産科を含む担当医の案内に従ってください。[1]
日程や早期の陽性結果については、クラミジアの再検査・陰性確認にまとめています。薬の種類や飲み忘れについては、クラミジアの治療薬と飲み方をご覧ください。
当院の検査費用と、受診時に伝えていただきたいこと
当院の性感染症診療は自由診療です。次の料金は1人分・税込で、二人分の料金ではありません。検査する部位や項目が増える場合、治療が必要な場合は別途費用がかかります。
| 検査 | 料金(税込) |
|---|---|
| クラミジア検査(1部位) | 4,500円 |
| 淋菌・クラミジアのセット(性器またはのど、1部位) | 6,500円 |
| クラミジアの治療後の再検査(1部位) | 4,500円 |
| 即日検査の追加料金(1項目) | +4,000円 |
通常検査の結果が出るまでの期間は標準2日です。検査を処理する日は月〜土曜日で、検体の状況などにより前後1日程度変わることがあります。即日検査の追加料金は1項目ごとにかかり、クラミジア1項目なら合計8,500円、淋菌・クラミジアの2項目を即日検査にする場合は合計14,500円です。
クラミジア陽性の場合は、淋菌・梅毒・HIVなど、ほかの性感染症の検査についても相談できます。クラミジアと淋菌の検査の違いは、2項目の同時検査についての記事も参考にしてください。[1]
受診時には「パートナーが陽性」「治療中に性行為をした」など、今回相談したいことをお伝えください。結果が分かるものと、服用している薬の名前・服薬日が分かるものがあると確認しやすくなります。詳しい費用は性感染症の料金表をご確認ください。
監修医師

金谷 正樹 医師
国際医療福祉大学病院、東京医科歯科大学病院(現 東京科学大学病院)などで研鑽を積み、モイストクリニックで性感染症を中心に診療。日本性感染症学会の会員として活動しています。
参考資料
- CDC — Chlamydial Infections(STI Treatment Guidelines, 2021)
- CDC — About Chlamydia
- 厚生労働省 — 性器クラミジア感染症
- NHS — Pelvic inflammatory disease
- NHS — Testicle pain(2025年6月26日レビュー)
- Sexual Health Oxfordshire — How long should I wait before I test?(2023年3月11日更新)
- FPA — Chlamydia: Looking after your sexual health
- Sexual Health West Sussex — Treating Chlamydia
参考資料の最終確認日:2026年9月18日。検査・治療は症状や診察結果に応じて判断します。
